四国がんセンター

四国がんセンター広報誌がんセンターニュース

27年7月 第52号がんセンターニュース

まえがき

ごあいさつ

本年4月より臨床研究センター長として当院に赴任いたしました石井です。よろしくお願いいたします。

出身は東京都ですが、江戸っ子ではありません。また、港区、世田谷区などの山の手でもありません。神奈川県境である多摩川中流の狛江市という小さな町で生まれ育ちました。狛江には石井姓がたくさんいて「いしいひろし」は地元小学校在学時に3人いました。遠い親戚は市長をつとめた大地主でしたが、ラスベガスで大損して夜逃げし、今の市長は共産党の方です。年配の方なら八千草薫主演の「岸辺のアルバム」というテレビドラマ(1977年TBS)をご記憶かもしれません。多摩川が大雨で氾濫し、堤防が決壊して岸辺の我が家が流されてしまうお話で設定は実話です。川に本来の流れを取り戻すため、氾濫の原因となっている堰にダイナマイトが仕掛けられた夏の日、わたしは地元中学のプールで水泳大会の練習をしていました。5kmは離れていたはずですが、発破による重低音は学校中の窓をふるわせ、プールにはさざ波がたちました。

のんびりした中学で生徒会長をつとめ、成績はよかったので開成高校など有名進学校をいくつか受験しましたが全滅し、唯一合格したのが東京都立国立(くにたち)高校でした。国高ではハンドボール部に入りました。競技人口が少なく、国高で当時唯一全国大会が狙えるクラブだったからです。主将を任された2年夏、残念ながら都大会ベスト4に届きませんでした。高校卒業後は駿台予備校に進学、その夏国高は都立初となる甲子園出場を果たしました。浪人の分際ながら勇躍応援に行きましたが、開会式初日の第3試合で和歌山の強豪、箕島高校になすすべなく敗退しました。その後は真面目に受験勉強に励み、無事千葉大学医学部に合格することができました。国高は3年間同じクラスの持ち上がりで、生涯の友を得ることができました。母校のある大学通りでの花見クラス会は毎年(36年間!)恒例で、今年は15名が集まったそうです(四国赴任で今年わたしは参加できませんでした)。

大学は無難に進級し、卒業後は母校第一内科にすすみました。関連病院の国立横浜東病院に出張しているとき、国立がんセンターから医員募集の声がかかりました。院長面接で「英語の論文を書いたことがあるかね」と尋ねられ、白旗あげて降参と思いました。日本語の学位論文さえまだ書きかけだったからです。しかし、どういうわけか採用通知がきて、臨床腫瘍学へ傾倒する転帰となりました。多少の紆余曲折の後、国立がんセンター東病院に異動し、日本臨床腫瘍グループ(JCOG)の肝胆膵グループ立ち上げに参画、グループ事務局を務めることになりました。前任の井口東郎先生とはその頃JCOG定例班会議で初めてお会いし、以来親しくお付き合いさせていただいています。その後わたしはがん研有明病院に移りましたが、井口先生が栄転されることから後任に立候補し、縁あって当院に単身赴任することになった次第です。

わたしの妻は千葉リハビリテーションセンター小児科長で千葉を離れることができません。息子は大阪大学工学部を卒業して大学院に進学、既に4年前から正月しか帰ってきません。娘はこの春、千葉大学看護学部に進学しました。ここ数年、千葉の自宅にいても妻娘とはすれ違いが多くストレスがたまる一方でしたが、いざ単身赴任で離れてみると、むしろ以前より愛しく優しい気持ちになれるような気がします。ゴールデンウィークには妻娘が松山に遊びに来てくれる予定で、今から待ち遠しくて仕方ありません(本原稿執筆は4月末です)。

さて、仕事のはなしです。四国がんセンターは以前より臨床試験や治験に積極的で、その支援体制の整備にも熱心です。とくに最近では検証的な大規模試験だけではなく、高度な専門性が求められる早期探索的な試験を請けおえる国内で数少ない貴重な施設と認知されつつあります。これは、人的物的金銭的な資源が中央に比べて貧弱である地方病院としては奇跡的なことといえます。当院各科の研究者の先生方とこれまで臨床試験を支えてくれた多くのスタッフの熱意と努力のたまものであり、深く敬意を表するものであります。仕事を前任者より引き継ぐとき、ふたつ申し渡されました。ひとつは「臨床試験を支援するスタッフを守ってくれ」、もうひとつは「試験調整医師(プライマリー・インベスティゲーター)として多施設共同試験を立ち上げてくれ」でした。前者はここに固くお約束いたします。後者は少しお時間がかかるかもしれませんが、なんとかがんばってみます。もちろん、今まで以上にたくさんの治験を引き受け、臨床試験に貢献し、エビデンス創出の一大拠点としての四国松山を全国に周知させるべく粉骨砕身がんばる所存です。みなさま、どうか今後ともよろしくお願い申し上げます。

(臨床研究センター長 石井 浩)

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イベントレポート 看護の日イベント

看護の心をみんなの心に

5月12日(火)、病院を飛び出し「フジグラン重信」にて看護の日のイベントを開催しました。今年は、「看護の心をみんなの心に」をテーマに私達の看護の心を地域のみなさまにお届けすることを目的に、血圧測定、体脂肪測定、肌年齢測定、栄養相談等を行いました。大雨の悪天候のなか、100名を超える方が測定に参加していただき、中でも普段あまり測定する機会のない肌年齢測定は大人気で、男性の方も参加されていました。測定値についてスタッフに質問されたり、「気を付けないと」と談笑されたり、終始なごやかな雰囲気の会場でした。今回の測定結果を今後の健康管理の指標とし、健康について考える機会にしていただけると嬉しいなと感じました。栄養士との相談コーナーでは、相談者は「食事の改善策がわかりました」と笑顔で話されました。お菓子を用いた調剤体験は子供達に大人気でした。また、総合保険協会協力のマンモグラフィー検診は予定数を超える方が受けられました。当院のがんドック等のパンフレットも質問され持ち帰る方もいらっしゃいました。

今回病院の外で、地域の皆さまと心の触れ合いができ、四国がんセンターを身近に感じていただけたのではないかと思いました。また院内スタッフと協力して開催することで、スタッフ同士の交流の良い機会でもあったと感じます。来年も患者さまの回復と地域の皆さまの健康を願い、看護の心を届けたいと思います。

最後に、場所を提供していただいたフジグラン重信の皆さま、そしてイベントに協力していただいたスタッフに深く感謝いたします。

(看護師長 平田 久美)

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がん治療最前線 肺癌治療における免疫チェックポイント阻害薬

医学は、“科学=サイエンス”ですので、その薬剤が本当に効果があるのか、本当に“薬”なのかは、きちんと証明がなければいけません。残念ながら、有効性を証明するために最も重要なランダム化比較第Ⅲ相試験(その治療をした人としない人との2群に分けて効果を比べる試験)において、効果を認めたワクチン療法や樹状細胞療法(体の中にある免疫の大本となると考えられている細胞)を含めた細胞免疫療法などの免疫療法のうちで、化学的に効果が証明されたものは今までほとんどありませんでした。その理由として、免疫は外からやってきた細菌やウイルスなどの“外敵”と戦うもので、がん細胞のような“自己”と戦うものではない(免疫寛容)ことが原因と考えられます。

今まで研究されてきた免疫療法は、免疫の攻撃力をいかに高めるかに重点が置かれていましたが、上述のごとくうまくいっていません。近年、がん細胞が免疫機構の一部にブレーキをかけて、免疫細胞の攻撃を阻止していることがわかってきました。そこで、このがん細胞によるブレーキを解除することで、免疫細胞の働きを再び活発にしてがん細胞を攻撃できるようにする新たな治療法が考えられ、今年比較第Ⅲ相試験において、治療をしなかった人より生存期間が伸びたという報告が複数発表されています。

がん細胞は免疫細胞からの攻撃を逃れるために、がん免疫にかかわるT細胞というリンパ球の攻撃にブレーキをかける仕組みを持っています。この時に関係するアンテナはいくつか見つかっていますが、例えばそのうちの一つとしては、がん細胞はPD-L1というアンテナを出して、がんを攻撃するT細胞にあるPD-1と呼ばれる受け皿(受容体)に結合し、自分は異物・敵ではなく、『同じ人間の細胞だよ!!』と伝えて、T細胞の攻撃から逃れているのです。そこで、このPD-1受容体すなわち受け皿に蓋(ふた)をして、PD-L1が結合できないようにして、がん細胞がT細胞の攻撃にブレーキをかけられないようにする治療、PD-1にピンポイントで結合する抗体(免疫チェックポイント阻害薬)が開発されました。現在はPD-L1側をブロックする抗体薬も開発されていますし、他の受け皿(CTLA-4など)に対する抗体薬も開発されています。

免疫チェックポイント阻害薬で、はたらきが弱くなったT細胞が再び活性化してがん細胞を攻撃する、という治療は、新しい治療法として期待されており、現在多くの癌種で治験が行われています。一部の薬剤は悪性黒色腫の治療薬として本邦でも既に承認されており、肺癌については日本人におけるデータを今年の臨床腫瘍学会で当院医師が日本の代表として発表する予定です。そして来年~再来年には肺癌でも同薬剤が使用できるようになることが期待されています。

当院では、これらの免疫チェックポイント薬の治験を引き続き行っており、詳しくは主治医にご相談ください。

(第二病棟部長 野上 尚之)

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がんセンターだより 患者さんのサポート体制について

緩和ケアセンター、がん相談支援センター外観
緩和ケアセンター、がん相談支援センター

当院に限らず、はじめて受診された患者さんはどこにいったらよいのか、どの程度待ち時間があるのか、今後どうなるのかなど多くの不安を抱えています。不安を抱えて受診された患者さんを最大限サポートするために当院では、外来・入院サポート室(包括同意説明、かかりつけ医の確認)、がん相談支援センター(がん情報の提供、医療費の相談)地域医療連携室(紹介先医療施設の予約業務、転院先医療施設の紹介、在宅医療の斡旋、連携パスの説明)、予約センター(診察予約、検査予約)、緩和ケアセンター(がん患者カウンセリング、緩和医療の説明)を集約しての説明・相談・予約体制を整えています。

外来・入院サポートセンター、地域医療連携室、予約センター外観
外来・入院サポートセンター
地域医療連携室、予約センター

がんと診断され不安でいっぱいの患者さんとそのご家族の心配事を少しでも軽減できればと医師、看護師、薬剤師、医療ソーシャルワーカ-、事務職員が待機しています。診察後の多くの説明や予約を場所移動することなくすませることができるように多くの職員を配置しています。今後も患者さんの不安を少なくできるように努力を続けたいと思います。

(外来部長 河村 進)

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エキスパートナース・メディカルスタッフ Part.28 緩和薬物療法認定薬剤師

緩和ケアスタッフ写真

「緩和ケア」という言葉に、どのような印象をおもちでしょうか。

もう何もできることはない、治すための治療が終わってあとは最後のときを過ごすだけ…? いいえ。実際は、がんと診断されたときからおこなうケアです。四国がんセンターでは患者さんとご家族のからだと心の痛みを癒し、その人らしく生きてゆくことをサポートする専門的ケアのことをいい、的確な評価と処置をおこなうことで、苦痛を予防したり和らげていくお手伝いをさせていただいています。

苦痛への対応のひとつに薬物療法があります。薬剤師は薬の専門家として、患者さんの状態にあわせたお薬情報を提供し、効果や副作用モニタリングをおこなっています。そのなかで、緩和薬物療法認定薬剤師は2009年に日本緩和医療薬学会で認定された資格です。緩和医療に携わる職種の方々の緩和薬物療法に関する知識と技術の向上、ならびにがん医療の均てん化に対応できる人材の育成を目指して緩和薬物療法に貢献できるよう、現在、全国で508名が活動しています。

症状緩和に使う薬には「使うと中毒になってやめられなくなる」などの多くの誤解や、一般的な使い方と異なる部分があるため、どのようにすれば安心して薬を使ってもらえるか日々皆様と一緒に学ませていただいています。なりたて認定薬剤師ですが精一杯頑張りたいと思っておりますので、お薬に関して気になることなどありましたら、ぜひおたずねください。

(緩和薬物療法認定薬剤師 武智 宣佳)1

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お世話になって医ます いかわ整形外科 よつば循環器科クリニック

四国がんセンターは、初診患者さん全てが地域の医療施設からのご紹介です。ここでは、かかりつけ医の皆さまからうかがった、様々なご意見をご紹介します。

いかわ整形外科

いかわ整形外科外観

整形外科は主に運動器(骨、関節、筋肉、靭帯など)に発生する疾患を対象に治療することが多く、腰痛、頚部痛、膝などの関節痛や打撲、骨折などの外傷、関節リウマチなどの関節炎などを対象とする診療科です。その中で四肢や脊椎に発生する骨軟部腫瘍(骨肉腫、脂肪肉腫など)は頻度が低く、稀少疾患とされています。近年の高齢化でがんの罹患数の増加に伴い、がんが骨に転移する(骨転移)ことで疼痛などの症状で受診される患者さんの数も増えていますが、整形外科受診患者さん全体から見ればそれでもまだ少ないといえます。このように、多くの整形外科一般で受診された患者さんの中から、的確な診断で井川先生からは骨軟部腫瘍や骨転移の患者さんをご紹介いただいております。

クリニックの特徴を教えてください。

整形外科は基本的に疼痛を主訴に受診される患者さんが多く、その殆どが生命に関わるような病気ではなく、治療により治癒、あるいは改善していく患者さんが多い領域です。骨、関節疾患は単純レントゲンで原因が検索し易い部位ですが、脊椎脊髄病変や関節内の靭帯などの観察にはMRI(核磁気共鳴画像検査)が必要です。当院では近隣の医療機関と連携して適切な検査を実施し、高度な治療が必要な患者さんは早期に診断し、適切な治療が施行されるよう努めております。

四国がんセンターとの連携で何かご要望はございますか?

骨転移疑いの患者さんの紹介先では、がんを基本的に扱わない一般病院の整形外科での対応に比べ、スムーズな対応で助かっています。骨軟部腫瘍は頻度の少ない疾患ですが、専門的に対応してもらえる医療機関も限られていますので、今後とも対応よろしくお願いいたします。

いかわ整形外科院長と当院医師の写真
左から 整形外科医師 清水 総一郎
整形外科・リハビリテーション科医長 杉原 進介
いかわ整形外科 井川 晴友 院長
リハビリテーション科医師 中田 英二

医療機関を受診する腰痛患者さんのうち、がんなどの悪性疾患が潜んでいる頻度は約0.4%であったとの報告がありますが、多くの患者さんのなかで頻度的に低い疾患を発見され、当院へご紹介いただいている地域の整形外科医の先生方には頭の下がる思いがあります。最近のがんに対する治療の進歩により、骨転移があっても長期生存が可能であるケースが多く、今後は如何にして骨転移による骨折や脊椎麻痺などを防ぐかが重要になってきています。当院では骨転移を有する患者さんが日常生活を自立して送れるよう全国に先駆けて対応できるシステムを構築し、その成果を認めておりますので今後ともよろしくお願い申しあげます。

(整形外科・リハビリテーション科医長 杉原 進介)

医療法人松山ハートセンター よつば循環器科クリニック

よつば循環器科クリニック外観

四国がんセンターの多くの診療科をサポートしてくださっているよつば循環器科クリニックを訪問してきました。

院長の阿部充伯先生は1986年(昭和61年)に愛媛大学を卒業され、愛媛大学付属病院、愛媛県立中央病院、松山市民病院循環器内科を経て2006年1月に副院長の藤枝裕之先生とお二人でよつば循環器科クリニックを立ち上げられました。

クリニックの特徴を教えてください。

志を同じくする医師たちとともに、高度な専門技術を遺憾なく発揮できる専門病院を作り上げたのがこのクリニックです。

2007年には心臓血管外科センターを増築しました。病床数は19床で、内科・外科の両面から垣根を越えて迅速にアプローチできることが特徴です。現在、医師は7名、看護師43名、臨床工学技師3名などスタッフは充実しており、平均して血管内ステント手術400例/年、血管カテーテル検査約1000件/年、開胸手術70件/年を施行しています。また、直近では下肢静脈瘤に対する高周波(ラジオ波)カテーテル治療も導入しております。虚血性心疾患の精査においてはMD-CTや冠動脈カテーテル検査に心筋シンチグラフィーによる機能的解析を併用して、よりきめ細かい診断を行っています。

四国がんセンターとの連携についてご意見・ご要望はありますか?

治療前の検査日程によって癌治療の開始時期が遅れることのないように、迅速に対応しています。MD-CTであればご依頼から2-3日(最短で1日)、入院カテーテル検査が必要な場合でも1週間以内にすべての検査を終えて最終レポートをお返しできるように心がけています。受診時に腎機能検査・感染症検査・心電図(Afのチェック)・単純胸部CT(冠動脈の石灰化チェック)のデータをいただけると検査日程をより的確・迅速に組むことができますので、可能な範囲でご協力ください。

よつば循環器科クリニック院長、循環器内科部長と当院医師の写真
頭頸科医長 門田 信也(左)
よつば循環器科クリニック 阿部 充伯 院長(中)
よつば循環器科クリニック 橋本 克史 循環器内科部長(右)

これからの展望について、より難度の高い完全閉塞血管治療や心臓以外の血管内治療への熱い思いも語っていただきました。休日はゴルフが趣味とおっしゃる阿部院長ですが、なによりも血管内手術が大好きなんだなと感じました。開業当初は交替で毎日病院に泊まり込んで患者さんの術後管理をされるなど、ご苦労も多かったとお聞きしましたが、そのバイタリティは外科医としてとても共感できました。

最近は頸動脈超音波検査を契機に発見された甲状腺腫瘍の精査・治療目的で患者さんをご紹介いただく機会も増えてきました。甲状腺外科専門医として逆にこちらからお役に立てることもあろうかと思いますので今後ともどうぞよろしくお願いします。

(頭頸科医長 門田 信也)

よつば循環器科クリニックのホームページはこちらのリンクから。

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診療科紹介 婦人科

婦人科スタッフ集合写真

婦人科では主に子宮、卵巣、卵管の「がん」を中心とした女性特有の疾患の治療を担当します。4月より小松が新しく加わり、竹原を中心に横山、白山、大亀、楠本の6名で診療にあたっています。

最近の婦人科がんのキーワードは、「若年化」です。特に子宮がんでは若い人を中心に患者数が増加しており、少子化が叫ばれている日本では深刻な社会問題になってきています。当科では以前より妊孕性温存(妊娠して子供を産めるような機能の温存)を考慮して、初期の子宮頸がんや体がんに対して機能温存の治療を実践してきました。現在は卵巣がんに対する妊孕性温存治療にも全国の主だった施設と共同して臨床試験の形で取り組んでいます。

一方、進行がんは、日々新しい治療方法や治療薬の開発が進んでいるとはいえ、まだまだ命に係わる重大な病気です。当科では少しでも効果のある、副作用の少ない治療の開発をめざして治験や臨床試験にも取り組んでおり、その取扱い件数は全国有数です。まずは患者さんそれぞれの病状をしっかり理解していただき、状況に応じて治療法について一緒に検討していきます。現在の標準治療に加え、治療の選択肢の一つに新しく、効果の期待できる治験や臨床試験があればご紹介します。これらの治験や臨床試験は日常の診療が厳密に実施できる限られた施設のみで受けることができる治療選択肢で、近い将来の標準治療となる可能性がある治療法です。

これらの診療は婦人科医師の努力だけでは安全に滞りなく実践できません。他科の医師はもちろん看護師や薬剤師、検査技師、その他の病院スタッフ、さらには他の専門医療機関と連携を取りつつより良い医療が行えるよう全員で取り組んでいます。診療に関して気になることやご不明な点がありましたら遠慮なくご相談ください。

(婦人科医長 竹原 和宏)

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