四国がんセンター

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最新のがんセンターニュース

まえがき

『困難は、チャンス』

この4月から、副院長を拝命している山下です。昨今の医療情勢の中で多くの医療施設がいろんな問題を抱えながら、より良い医療を提供しようと工夫していることが明らかになっています。私たちの四国がんセンターも例外でなく、谷水院長を中心に問題解決に向けた企画の第一歩として、5月には様々な立場から(医師、看護師、薬剤師、各技師、事務などなど)の意見を抽出するためのミーティングが行われました。その中の講演で有名な哲学者の『困難は、○○○』という言葉の○○○に当てはまる言葉を参加者に問いかけがありました。正解は別にして、"困難は、チャンス"という、とても魅力的な意見がありました。問題(困難)に立向かう際の対策の取り方として、確かに各自で対応できる状況まで困難は『分割せよ』が正解でした。感覚的には困難な事に遭遇しても、自分であるいは周りの皆の協力を得ながら対策を講じ、解決策を見つけ出そうとする行動そのものが、良いチャンスになるとも言えるのではないでしょうか。日々、日常の業務で生まれる疑問や問題点もある意味"困難"と言えるでしょう。それをそのままにするのではなく、今日はこんなことがあった、これで困ったけどこうして対処したとか、△△さんに相談してこう解決したという事や、すぐには解決できずに問題点をみんなで相談・共有し、ほかの人から良いアドバイスをもらい時間をかけて解決につなげれることもあるでしょう。あるいは、「そんなこと時々あるし、自然と問題にならなくなる」と何となくうやむやになることもあるかも知れません。しかし、何故?と問題に気づくこと、それが"解決に向けたチャンス"でもあると私は思うのです。

日常の疑問や問題を見過ごさず、何故だろう?こうすればいいかも知れないと考えることは、困難解決に向けた素晴らしい"チャンス"になると思います。そんな気付きは、経験豊かなエキスパートだけでなく、業務に慣れていない若い人や、専門ではない身近な仲間の意見からも生まれてくるかも知れません。

皆で、困難を"チャンス"に変えられる機会を見つけませんか?

有名な哲学者:デカルト。17世紀のフランスの哲学者で、『我思う、ゆえに我あり』『疑いは知の始まりである』という言葉が有名。

(副院長 山下 素弘)

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イベントレポート 看護の心をみんなの心に~『看護の日』イベントinエミフルMASAKI~

5月9日(火曜日)、「エミフルMASAKI」にて看護の日のイベントを開催しました。「看護の心をみんなの心に」をテーマに私達の看護の心を地域のみなさまにお届けすることを目的に、血圧測定、栄養相談、マンモグラフィー検診等を行いました。雨の悪天候のなかでしたが、多くの方に参加していただき、中でも総合保険協会協力のマンモグラフィー検診は先着35名様(40歳以上の女性対象)限定に無料で受診できるということもあり、受診予約は全て埋まり、大盛況でした。若い方からも「検診を受ける機会ができて良かった」という声も多数頂き、がんへの関心の高さを改めて実感することができました。血圧測定では多くの方から測定値について質問されたり、普段の生活スタイルがどうあるべきかといったご相談を頂いたりと、スタッフと地域住民との交流の場になりました。今回の測定結果を今後の健康管理の指標とし、健康について考えるきっかけにしていただきたいと感じました。栄養士との相談コーナーでは、「食事について疑問に思っていたことが聞けて良かった」と笑顔で話されました。お菓子を用いた調剤体験やバルーンアートは子供達に大人気でした。当院の他のイベントやがんドック等も質問されパンフレットを持ち帰る方もいらっしゃいました。

今回病院の外で、地域の皆さまと心の触れ合いができ、四国がんセンターを身近に感じていただけたのではないかと思いました。また院内スタッフと協力して開催することで、スタッフ同士の交流の良い機会でもあったと感じます。来年も患者さまの回復と地域の皆さまの健康を願い、看護の心を届けたいと思います。

最後に、場所を提供していただいたエミフルMASAKIの皆さま、そしてイベントに協力していただいたスタッフに深く感謝いたします。

(看護師 大政 晴香)

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がん治療最前線 胃を温存する手術『観音開き法』

胃の出口側にがんができた時、胃の下側を切除する手術は術後の経過が良いため多くの病院で一般的に行われております。一方胃の入り口側にがんができた場合、胃の上側を切除して食道と残った胃とをつなぐ手術を行うと、つなぎ目から胃酸が食道に逆流し、逆流性食道炎が起きるため、多くの病院では胃全摘(胃を全部切除する手術)をすることが一般的です。

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「観音開き法」は胃の壁を両開きのドアの様にして開いた後に、食道と胃をつなぎ、最後にドアを閉める方法です(図)。このドアが胃酸の逆流を防ぎ逆流性食道炎を予防します。四国がんセンターでは「観音開き法」を2011年に導入し、これまで41例(17例が腹腔鏡手術)に行いました。胃をできるだけ残すことで術後の体重減少や貧血も予防でき、「観音開き法」で逆流性食道炎も防げます。

四国がんセンターでは消化器外科専門医の2名がこの手術を担当しております。がんはきちんと治し、胃はできるだけ温存することを目指しておりますので、ご質問のあるかたは担当医にお問い合わせ下さい。

(第一病棟部長 野崎 功雄)

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エキスパートナース・メディカルスタッフ Part.36 緩和ケア認定看護師

みなさんは、緩和ケアという言葉にどのようなイメージをお持ちでしょうか?

世界保健機関(WHO)では、生命を脅かす疾患に伴う問題に直面する患者と家族に対し、疼痛や身体的、心理社会的、スピリチュアルな問題を早期から正確にアセスメントし解決することにより、苦痛の予防と軽減を図り、生活の質(QOL)を向上させるためのアプローチであると定義されています。緩和ケアと聞くと、まだまだ終末期医療や何もしないケアというイメージを持たれている方が多いと感じます。治療をしっかり行っていくための症状コントロールや、今後の生活に対する不安などの心理社会的サポートも緩和ケアです。私は、がん患者さんやご家族と関わる中で、がん治療や副作用について理解するだけでなく、その人にとっての苦痛が何か、またその苦痛を軽減するために何ができるのかを広い視野で捉えられるようになりたいと考え緩和ケア認定看護師を目指しました。緩和ケアにおいて重要なことは、「がん患者さん」ではなく、「その人自身」を理解することです。がんと診断された時から、患者さんやご家族にとって大切なことは何か、また苦痛となっていることは何かを共に考え、病気に罹患しながらもその人らしく生きていくサポートを継続して行っていくことが緩和ケアだと考えています。今後も、「その人」にとって必要な支援は何か、患者さん、ご家族を中心とした医療チームの一員として考えていきたいと思います。

(緩和ケア認定看護師 青野 仁美)

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がんセンターだより SCRUM‐Japan

SCRUM‐Japan (スクラム・ジャパン: 産学連携全国がんゲノムスクリーニング)は全国約200医療機関と10数社の製薬会社が参画し、研究機関と医療機関、産業界が一体となって、日本のがん患者さんのがん遺伝子異常に合った治療薬や診断薬の開発を目指す、世界最先端のプロジェクト研究です。2015年から開始され、2017年から第2期として継続が決定しました。頻度は少ないが有望な治療薬があるがん患者さんを同定し、わが国のがん患者さんに世界で一番早く、新しい有望な治療薬を届けることを使命としています。

このプロジェクトに参加している医療機関では、スクラム・ジャパンへの参加の適格条件が整い、同意が得られたがん患者さんへ、がん遺伝子異常を調べる検査を受ける機会を無償で提供しています。現在は、肺がん、消化器がん(大腸、胃、食道、小腸、虫垂、肛門管、消化管原発神経内分泌がん)を対象としています。検査の結果で、患者さんに合った治療薬の治験が行われている場合には参加をお勧めしています。

四国がんセンターはスクラム・ジャパンの拠点施設の一つとして、最新の抗がん剤の治験を多数行っており、第2期の研究参加の受付を2017年7月から行っています。また、愛媛県では四国がんセンターを拠点とし、地域のがん診療連携拠点病院・がん診療連携推進病院とでタッグを組み、各施設でも本研究に参加できるようにする体制を構築予定です。ご期待ください。

(消化器内科医長 仁科 智裕)

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お世話になって医ます うつのみや内科

四国がんセンターは、初診患者さん全てが地域の医療施設からのご紹介です。ここでは、かかりつけ医の皆さまからうかがった、様々なご意見をご紹介します。

うつのみや内科

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在宅医療でお世話になっています久万高原町のうつのみや内科を訪問してきました。宇都宮先生は私の中高の学生時代の同級生で、松山市で過ごされました。実家が久万高原町ということで、久万高原町立病院勤務を経て2009年(平成21年)に開業されました。先生は広島大学をご卒業され、産婦人科に入局されました。愛媛に戻られてからは内科を中心に研鑽を積まれた後に開業されました。

診療の特徴は?

診療については、内科、循環器科、心療内科を標榜していますが、小児科、皮膚科、整形、耳鼻科などほとんどの科を診ています。出産に立ち会ったこともあります。他に訪問診療、産業医、検死などをして、1日中忙しくしています。昨年は自宅での看取りが16人、訪問診療40~50名と在宅にも力を入れています。朝は7時から往診をはじめ、8時前より外来を開始、昼から往診をして、夕方は18時まで診療を行いその後も往診が入っていることが少なくありません。看取りも訪問看護師には任さずに、ほとんど自分ひとりでしています。日曜祭日もまず往診があり一年の間に仕事をしない日は1日あるかないかです。

連携室に対する要望はありませんか?

検診で異常があった人を簡単に紹介できる窓口がほしいと思います。検診異常は大きな病院は簡単には診てもらえませんし、敷居が高い印象があります。また、研修会などは往診などがどうしても入るため土曜日を外して日曜開催を希望します。

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趣味は?

忙しい中でも時間を作っては夜のテニススクールで汗をかいています。また息抜きにバイクに乗って久万高原町内を走っています。若いときは、九州から北海道まで日本中を走りました。車も好きなので、時々気に入った車で通勤がてら早朝と夜のドライブを趣味としています。


img_20170809_2.JPGうつのみや内科 宇都宮 愼(左)
四国がんセンター 灘野 成人(右)

幅広い診療内容は、先生のお人柄、努力の賜物であると実感させられました。これからも、地元に根付いた診療を目指してがんばってください。

(患者・家族総合支援センター長 灘野 成人)


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ボランティア活動を始めて20年を迎えました

「グループふれ愛」は、1997年(平成9年)7月に移転前の旧病院(堀之内)で当時の高畑看護部長が立ち上げ、ボランティア募集のポスターを見て集まった7名からスタートしました。

ボランティア活動の始まりは、四国がんセンターの医師・看護師の皆さんから寄付のあった50冊の本を基として、入院患者さんに図書を貸し出す活動でした。週に2回、小さなワゴンに本を積み病棟に運びました。当時はまだ病室のテレビも少なく、読書は患者さんにわずかながらの癒しのひと時となりました。図書は、たくさんの方に利用していただきました。

また、病院の敷地内に花を植え、咲かせました。旧病院の門から玄関までの道沿いの花は入院患者さんやご家族の方の心を慰めました。

院内ガイドは、外来患者さんの車椅子の介助・入院患者さんの病棟案内などを行い、さらに、入院患者さんとご家族のひと時をゆっくり過ごしていただこうと、談話室の運営やティーサービスを行ってきました。

どの活動もボランティアと病院スタッフ、共に患者さん目線で考えながら手探りで行ってきたことを懐かしく思い出します。

今はそれらの活動に加えて新しく患者・家族総合支援センター「暖だん」でも月2回、ティーサービスをしています。そのうち1回は全国でも少ない「がん哲学外来・がんカフェ」のお手伝いをしています。

このように20年間、私たち「グループふれ愛」は患者さんにそっと寄り添ってまいりました。また、活動を通じて患者さんからもたくさん学ばせていただきました。

改めまして私達を20年も受け入れてくださった四国がんセンターに感謝しています。

今年は公益財団法人 関奉仕財団から「社会福祉奨励賞」を頂戴いたしました。名誉なことであり会員一同感謝申しあげます。

これからも患者さん目線で活動を続けてまいります。

表彰を受けるボランティアグループふれ愛代表

(四国がんセンター病院ボランティア グループふれ愛 代表 塚野 加代)

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診療科紹介 泌尿器科

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泌尿器科では、副腎がん、腎がん、尿路上皮がん(腎盂がん、尿管がん、膀胱がん)、前立腺がん、精巣がんなどの治療を担当しております。

それぞれの腫瘍や患者様の状態により、最適の治療を提供できるよう心がけております。腎がんについては、2016年よりロボット支援腹腔鏡下腎部分切除を導入しました。また、抗がん剤では分子標的薬に加え、免疫チェックポイント阻害薬も保険適応になり、治療の選択肢が拡大してきました。尿路上皮がんについては、標準化学療法であるジェムザール+シスプラチン併用療法で進行した患者様に対し、エビデンスのある文献に倣い二次化学療法を施行しております。近い将来、腎がんと同様免疫チェックポイント阻害薬も保険適応になると思われ、期待されております。前立腺がんについては、手術ではロボット支援手術、放射線治療では密封小線源挿入療法とIMRT(強度変調放射線治療)を行っております。抗がん剤では新規経口抗がん剤、点滴抗がん剤、骨転移に有効な放射線医薬品などが使用可能になってきております。精巣がんについては、抗がん剤では三次抗がん剤まで使用できるようにしております。

臨床研究では、愛媛県の泌尿器科で唯一JCOG(日本臨床腫瘍研究グループ)に所属し、泌尿器科のエビデンスの構築に参画しております。その他にも医師主導臨床試験や各種治験にも多く参加しております。

当科受診やご相談などございましたら、お気軽に当院のがん相談支援センターにお問い合わせください。

(泌尿器科医長 二宮 郁)

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宿泊研修

2017年(平成29年)5月12日~13日と26日~27日の2回に分けて、中間管理職以上の職員を対象とした合宿が、見奈良天然温泉利楽の研修施設にて行われました。

この合宿は、谷水院長が常に公言されている「1、職員の元気が患者さんの元気・安心の前提である。2、圧倒的に質の高いがん医療を実現する。」を実行するための記念すべき第一歩として、医療の質向上委員会のメンバーが主体となり、産業医科大学の柴田喜幸先生をアドバイザーとして、手作りで実施したものです。

5月12日17時40分 院長挨拶から始まり、オリエンテーション、グループワークへと続きました。はじめは不安と緊張の表情を見せていた職員でしたが、明屋書店の小島俊一社長による「元気な組織の作り方」グループワーキングの進行とともに、一気に緊張がほぐれ、笑顔が広がり会話も弾み始めました。当院の現状分析について、人、施設、しくみなどの改善案を書き出して、初日の研修が終了しました。その後、懇親会を行い、宿泊者は深夜まで語り合いました。

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5月13日9時00分 合宿2日目です。まず、やってみたい改善案が同じ人が新たにグループを作り、実行計画を練りました。やってみたい内容で集まっているため、どこも活発な議論が行われました。例えば、病院玄関の渋滞解消!駐車場改革!あいさつ美人・あいさつイケメンを探そう!コーヒーショップでリラックス!鷹匠で鳩の糞害0!など、真面目な話からユニークな発想まで、様々なアイデアが各グループから寄せられました。柴田アドバイザーから、「困難は分割せよ」、「一人でやらない、一人にさせない」など、貴重なアドバイスをいただき、最後に院長からの今後に向けた力強いメッセージを持って合宿は終了しました。

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合宿は終了しましたが、本当に大事なことはこれからです。出来上がった実行計画を一つでも多く実現していく事が、職員の志気アップや医療の質につながります。医療の質向上委員会では、引き続きこの活動を発展させていきたいと考えています。

(経営企画室長 向井 敬浩)

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