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まえがき

看護の日に思う

「看護の日」とは毎年5月12日の「国際ナースデー」の、日本で制定された記念日の名称です。また、この日は、近代看護の基礎を築いたフローレンス・ナイチンゲールの誕生日でもあります。「看護の日」の制定の趣旨は21世紀の高齢社会を支えていくためには、看護の心、ケアの心、助け合いの心を、私たち一人一人、分かち合うことが必要と考えられ、こうした心を、老若男女を問わずだれでもが育むきっかけとなるように旧厚生省により、1990年に制定されました。これを受けて、各地では「看護の日」として多くのイベントが開催されています。今年度も、四国がんセンターは「看護の心をみんなの心に」をテーマに、松前町のエミフルMASAKIで健康・検診啓発活動として血圧測定、栄養相談、マンモグラフィー検診、就労支援等を実施。また、高校生対象に「ふれあい看護体験」を行い、看護師の仕事、ケアの心について体験を通して、看護への関心を深めてもらいました。

「看護の日」とは皆さんに看護の心を知ってもらうと同時に、看護師一人ひとりが、初心に返り、各々の「看護」を振り返ることが出来る日だと考えます。 各自に、自分の「めざす看護」をもう一度思い描いてほしいと思っています。

私達は「がん看護」を実践したいという気持ちを持ち、四国がんセンターに集いました。四国がんセンターの看護部の基本理念は「私たちは、専門職としての誇りと責任を持ち、がんと共に生きる人を支える最良のがん看護を提供します。」であります。この基本理念が実践できる看護師の育成をめざし、日々努力をしていきたいと思います。

「がん看護」を実践する看護師は、がんと共に生きる人が生活者として各々の思い描いている生活ができるように支えること、そして、自分の人生をしっかり生きて頂くことを支援していくことが使命と考えます。現在、入院期間は平均12日程度と、とても短くなりました。入院前から患者さん、ご家族を知るために今年度、入退院サポート室が稼働を始めています。地域の医療機関からの情報を踏まえ、外来受診時の状況等を確認し、入院及び退院後を考えながら、生活していくことに困難が生じないように地域とより連携・協働・橋渡しを行っていきます。

これから迎える超高齢社会に一人でも多くの人に「看護の日」を知ってもらい、看護師は理想を掲げ、みんなが笑顔で過ごせる未来を夢見て活動していきたいと思います。

(看護部長 吉田 眞弓 )

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がん治療最前線 がんゲノム医療

世の中には様々な人がいます。目の青い人・黒い人、お酒に強い人・弱い人、ある病気にかかりやすい人、そうでない人。これまでこれら現象は人種差・体質などの言葉で説明されてきました。しかしこれまでの生物工学の進歩に伴い、2万種類以上存在する人間の設計図である遺伝子の配列を比べることによって科学的にこれら現象を説明することができるようになってきました。

それでは、がん細胞ってどのようなものなのでしょうか?

がんを発病するにはタバコをはじめとした発がん物質、紫外線、放射線、ピロリ菌・ウイルスなどにさらされることが原因の一つになります。そしてこれら発がん物資が人間の体を構成している正常細胞の中に存在する遺伝子を傷つけ、元の細胞とは性質が変わって、コントロールが効かず無秩序に増殖・浸潤する細胞が「がん細胞」であります。

これまで遺伝子配列を調べることは、非常に高価で時間がかかるものでしたが、近年、高速に検査できる機械が開発されてきました。そうした中、2015年にオバマ大統領が一般教書演説の中で、「Precision Medicine」(プレシージョンメディシン)すなわち「精密医療」として「ゲノム医療」を推進することを訴え、その後、開発が加速してきました。

本邦では、第3次がん対策推進基本計画の中で「がんゲノム医療」の充実が盛り込まれ、2018年3月に厚生労働省が、がんゲノム医療中核拠点病院とがんゲノム医療連携病院を認定し、県内では、四国がんセンターと愛媛大学医学部附属病院の2病院が連携病院として認定されております。当院ではその役割を担うため、「がんゲノム医療外来」を開設し、固形腫瘍(血液のがん以外)の患者さんを対象に、採取したがん細胞から約100-200遺伝子の配列を解析できる体制を近日中に整える予定です。その結果、がん細胞の特徴を見つけ、それぞれの患者さんにあった薬が見つかった場合には、その薬での治療が可能になるかもしれません。ただ現状では、これら検査は保険承認されておりませんので全額自費診療となることを予めご了承ください。

 

(臨床試験支援室長 上月 稔幸)

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診療科紹介 遺伝性がん診療科

「がん」は遺伝することがあるってよく言いますが、どういうことでしょうか?

たとえば、あなたのお父さんが「がん」にかかっておられた場合、その病気そのものが遺伝することはありません。「がん」にかかりやすい体質が遺伝する場合を、通常「がんの遺伝」と呼んでいて、その体質が原因で「がん」にかかった場合、「遺伝性のがん」と呼んでいます。

がんにかかりやすい体質が遺伝する場合、かかりやすいがんの種類はある程度決まっているのが普通です。たとえば、遺伝が原因で起こることが多いがんとしては、乳がんや卵巣がん、そして大腸がんや子宮体がんなどが代表的です。

そういった遺伝的にがんにかかりやすい体質をもっているかどうか、今ではかなりのところまで血液を使った遺伝子検査でわかるようになっています。

私たちの「遺伝性がん診療科」はそのような遺伝的にがんに非常に罹りやすい方々を対象とする科です。当院では2000年からこの診療を開始しており、この領域では日本を代表する病院の一つとなっています。診療の内容は、主にこのような体質を持っておられる方を見つけ出し、その方の血縁者も含めて、がんの予防を行っています。すなわち「予防医学」の一部としての位置づけです。

しかし、最近ではこういった遺伝が原因で発生したがんに特異的によく効く薬が開発されつつあり、予防だけではなく、治療の側面からも「遺伝性のがん」の診療の重要性が高まってきています。その最初の薬が今年まず卵巣がんで承認され、近日中に(平成30年6月26日時点)乳がんでも承認されます。

もしかして、うちのがんは遺伝?と思われる方は是非当院の「遺伝性がん診療科」にご相談下さい。

(がん診断・治療開発部長 大住 省三)

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エキスパートナース・メディカルスタッフ Part.40 がん専門薬剤師

がん専門薬剤師とは、医療機関において質の高いがん薬物療法を実践する薬剤師として、一般社団法人日本医療薬学会が認定する資格になります。現在、全国で約600名のがん専門薬剤師が活動をしており、当院では私を含め2名のがん専門薬剤師が在籍しています。

私は普段、抗がん剤の投与量やスケジュールの確認、治療継続や副作用軽減のための処方提案、患者さんへの治療内容の説明などを行っています。その他、抗がん剤の無菌調製や抗がん剤を安全に取り扱うための管理など、多種多様な業務に携わっています。

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薬剤師は医療チームの一員として、医師や看護師など医療スタッフと連携をしながら、患者さんの症状や病態にあわせたお薬の提案をしています。薬の種類や投与量、投与間隔を確認したり、処方提案をすることは、治療を安全に行っていく上でとても重要です。

抗がん剤での治療中に副作用があった場合、患者さんとお話して症状の程度を把握し、医師や看護師に副作用対策の提案をすることもあります。患者さんの負担や苦痛を最小限に抑え、最大限の治療効果が得られるように努めておりますので、お薬についてお困りのことがありましたら、お気軽に相談してください。

これからもよろしくお願いいたします。

(がん専門薬剤師 亀岡 春菜)

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お世話になって医ます 土居外科胃腸科医院

四国がんセンターは、初診患者さん全てが地域の医療施設からのご紹介です。ここでは、かかりつけ医の皆さまからうかがった、様々なご意見をご紹介します。

土居外科胃腸科医院

今回は、松山市平井町、東鷹の子団地のお近くで開業なさっていらっしゃる土居外科胃腸科医院の土居 興先生を訪問させていただきました。

土居先生は、県内の病院で消化器外科、内視鏡診断治療の研鑽を積まれた後に平成8年より地域密着型の医療を目指されご当地で開業なさっていらっしゃいます。

医院の特色を教えてください。

当院は胃腸、消化器疾患、肛門疾患の診断治療を中心に一般外科、整形外科、リハビリ領域までの診療を行っています。痔疾患の日帰り手術も行っています。祝日を除いて毎日診療をしており、患者さんの都合に合わせた受診ができます。例えば、胃カメラや大腸カメラ、腹部超音波も土日でも検査ができますし、休日にお尻が痛くて来院される方もいらっしゃいます。また、検査後、治療後の患者さんを含めて24時間連絡がつき診療可能な体制にしています。

みずほ整形外科 藤澤 圭史先生と当院骨軟部腫瘍・整形外科医長 杉原 進介
土居外科胃腸科医院 土居興先生(左)
ICU医長 大田耕司(右)

ご趣味はございますか?

たまにランニングをしたり、買い物やウインドショッピングをしたりするぐらいです。休みの日も松山市の外科救急診療を手伝ったりすることが多いです。診療することはあまり苦になりません。

四国がんセンターへのご要望などございますか?

紹介にも迅速に対応してもらっているので助かっています。今後はがんセンターの症例検討会などに参加できればいいと思います。興味深い症例など色々と勉強したいと思います。また、病診連携の会などで今後も交流がすすんでいくことを望みます。

待合室入口には目につくように夜間連絡用の携帯電話番号が大きく貼ってあり、患者さんは安心して受診できるなあと思いました。先生の実直に医療をしている姿や旺盛な向学心に触れ、我々も皆様に貢献できるよう頑張らなくてはならないと思いました。この度は診療の合間のお昼休みにお伺いしたにもかかわらず、ご丁寧に対応していただきありがとうございました。今後ともよろしくお願い申し上げます。

(ICU医長 大田 耕司)

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がんセンターだより 入退院サポート室開設!!

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この度、「患者さん・ご家族への入院前の支援をする部署」として「入退院サポート室」が新設されました。この部屋では、入院生活や検査治療に対する不安を少しでも和らげ、気持ちを楽にしていただくために、看護師が様々な説明を行い質問にお答えしています。

場所は、2階エレベーター横、Dブロックの個室ブースです。

ここでは入院生活の説明、入院中に行われる治療・検査の説明、日常生活についての聞き取り、入院前に利用していた介護・福祉サービスの把握、現在困っていることの確認などを行っています。入院期間が短くなっている昨今、より安心して入院生活を送っていただくために、お伺いした内容は、病棟スタッフと共有しています。

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5月の時点では、介護保険サービスを受けている方、退院後に医療・福祉などの機関と連携が必要な方を対象に説明していますが、今後各診療科に拡大していく予定です。

優しい音楽とともに癒しの空間となっている入退院サポート室に一度お立ち寄りください。

(入退院サポート室 副看護師長 清水弥生)

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医者のつぶやき リレーエッセイ 第四回 懐かしのハワイ航路

私事だが、というかエッセイというのは私事を書くものだが、職場健診の便潜血で引っかかった。便潜血は陽性でも3%ほどの人にしか癌は見つからないが、国民の大腸癌死を減らすためのものなので、公益のため観念した。50代の半ばに達し、人生を折りかえして帰路にある私は精密検査を受けることにした。

私は自分のロッカーに簡易生命表を貼ってある。それによるとこの1年間に死ぬ確率は約0.5%で、内因を勘案すると今回大腸癌が見つかる可能性とさほど変わらない。問題はほぼ0の数字に急に現実味が感じられてきたことだ。

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私事だが、というかエッセイというのは私事を書くものだが、先だって1週間ほどハワイに行ってきた。人生同様、結婚生活も折り返したので銀婚旅行を敢行したのだ。『人生って挑戦と選択の連続だね』などと話しながら、泳いだり、シュノーケリングしたり、山に登ったり、ガブリオーレを運転したり、昼のビーチバーでマイタイを飲んだり、丸亀製麺の大行列にビックリしたり、チーズケーキ一片1500kCalを平らげたりの大冒険をくりひろげた。

ハワイでは雨の時以外は大抵晴れている。ざーっと降って、さっと晴れる。今回はざーっはなく、概ね快晴だった。晴れのワイキキでは自然と頭の中に私の十八番の『憧れのハワイ航路』がウキウキとリフレーンされる。

♪晴れた空そよぐ風~~銅鑼の音楽し~~♪一人デッキでウククレ弾けば、歌もなつかし、あのアロハオエ~~~♪夜のキャビンの小窓を照らす、夢も通うよ、あのホノルルの~

陽気な歌だが、よく聞くとこれは滞在中の話ではなく、帰り旅のようだ。彼は既にお土産のウクレレを持っているし、ハワイの歌も街も想い出だ。しかし、各番の最後の♪あ~あ~あ~憧れのハワイ航路というフレーズが、それまでの歌詞をひっくり返して全てを思い出から憧れ/空想に変える。『懐かしのハワイ航路』ではない。懐かしんでいる帰り道の自分に憧れる、割と技巧的な歌だ。確かに行きには想い出も憧れもない。

夏の普段着はアロハなので、松山に帰っても十八番は私の頭の中でやはりリフレーンされる。想い出があって懐かしくて憧れるのは、帰り道のようだ。なら、まあメンテナンスのため健診とか増えるけどしかたない。

♪の部分:憧れのハワイ航路(作詞 石本美由起)より

(がん予防・疫学研究部長 寺本 典弘)

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イベントレポート 「看護の日」イベント開催~看護の心をみんなに~

5月9日(水曜日)、「エミフルMASAKI」で『看護の心をみんなに』をテーマに、私たちの看護の心を地域の皆さんにお届けするため、「看護の日」のイベントを開催しました。

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会場では、血圧測定・栄養相談・就労支援相談・マンモグラフィー検診・お菓子を用いた調剤体験を行いました。また、当院で行われるイベントや治療や取り組みについてのパンフレットの配布も行いました。

会場に足を運んでくださった方の中には、血圧測定を自宅で行われている方もおられ、血圧の日内変動について質問いただくこともありました。

自身の血圧値が高いことに驚き、「どうすれば血圧は下げられるの?」と質問される方もいました。高血圧は、生活習慣病であることから、適度な運動と食生活の改善が必要であることや薬物療法も必要なことについてお伝えしました。その結果「今日はここに来てよかった」「健康について再認識することができた」や「マンモグラフィー検診を受けることができてよかった」との言葉をいただくことができました。

今回のイベントは、沢山の地域の皆さんとふれあうことができるよい機会となりました。私たちの看護をアピールするとともに、四国がんセンターでの取り組みを多くの皆さまにお伝えすることができたと感じています。

最後になりましたが、場所を提供してくださったエミフルMASAKIの皆さま、そしてイベントに協力していただいたスタッフに深く感謝いたします。

(看護師長 天野 智佐)

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