四国がんセンター:医療関係者の方へ

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手術・放射線・監視療法後のQOL

手術・放射線・監視療法後のQOL

PSAで発見された限局性前立腺癌に対して,監視療法,手術,放射線の3群を比較した無作為化比較試験(ProtecT試験)の生存解析が発表され、このコラムでも以前紹介しました。さらに追加報告として、同試験におけるQOL結果が発表されました。手術群では,性機能と尿禁制でQOLが低下し、悪影響を及ぼしていました。放射線群では,消化管機能の低下が目立ち(6か月目が最悪),性機能障害は一過性でした。監視療法群では,性機能と排尿機能が徐々に低下していました。一方で,不安,うつ症状,健康状態には有意差は認めませんでした。 

2017年2月13日  橋根 勝義

尿路上皮がんに対する免疫チェックポイント阻害剤

尿路上皮がんに対する免疫チェックポイント阻害剤

免疫チェックポイントの開発は尿路上皮癌でも急速に進んでいますが、まずはじめに抗PD-L1である、アテゾリズマブの結果が公表されました。第2相試験、単アームでの多施設共同試験です。アテゾリズマブは3週毎に1200mg投与します。119例に試験治療がなされ、有効率は23%、CRも11例、9%に認められました。無増悪生存期間中央値は2.7ヶ月ですが、生存期間中央値は15.9ヶ月でした。有意事象は、倦怠感が30%で最も多く、次いで下痢の12%です。有害事象で治療が中止になったのは9例、8%でした。第3相試験の結果が待たれるところです。

2017年1月30日  橋根 勝義

LH-RH単独での去勢抵抗性前立腺癌にはビカルタミドよりエンザルタミドの方が有効

LH-RH単独での去勢抵抗性前立腺癌にはビカルタミドよりエンザルタミドの方が有効

STRIVE試験およびTERRAIN試験ともLH-RH単独治療後の病勢進行に対して、ビカルタミドとエンザルタミドにランダム化された試験で、両試験ともに各群約200例ずつの第2相試験結果です。両試験ともにエンザルタミド群で有意に無増悪生存期間が延長しており、エンザルタミドの有用性が示されました。ただし、日本ではホルモン治療ははじめからビカルタミドを併用することが多く、またエンザルタミドの有害事象も問題となることが多く若干状況が違っています。

TERRAIN試験:
 http://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S1470204515005185

2017年1月10日  橋根 勝義

スニチニブの術後補助療法

スニチニブの術後補助療法

限局性腎癌に対してスニチニブを術後1年間内服する第3相ランダム化比較試験です。対象は高リスク淡明細胞癌患者615例で、スニチニブ群とプラセボ群にランダム化され、スニチニブは50mgから開始、37.5mgまでの減量は許容されます。非再発生存期間中央値はスニチニブ群で6.8年、プラセボ群の5.6年と比較し有意に延長しました。一方で、スニチニブ群での減量は34.3%、中止症例は28.1%あり、grade3以上の有害事象もスニチニブ群が多い結果でした。

2016年12月26日  橋根 勝義

PSA監視療法より根治療法が転移進行を抑える

PSA監視療法より根治療法が転移進行を抑える

PSA監視療法、手術、放射線の3群でのランダム化比較試験ProtecT試験の結果が発表されました。この試験は1999年から2009年にイギリスで限局性前立腺癌と診断された2664例中同意の得られた1643例を3群にランダムに振り分け比較しています。前立腺癌死症例はいずれの群も少なく、有意差はありませんでしたが、転移出現や病勢進行症例は有意に監視療法群で多い結果でした。これまでのSPCG-4やPIVOT試験と異なり、治療介入への基準が定められていることから、現在の診療に近い試験結果といえます。ただし、監視生検はなされていないので監視療法には若干不利な状況です。

2016年12月12日  橋根 勝義

限局性前立腺癌に対する根治療法、メタ解析では放射線より手術が上

限局性前立腺癌に対する根治療法、メタ解析では放射線より手術が上

手術と放射線の成績を直接比較するのは困難であるため、バイアスの比較的少ない論文を抽出し、メタ解析をしています。その結果、全生存率に関してはハザード比、1.63、前立腺癌特異生存率に関してもハザード比2.08で手術の方が上回っていました。リスク分類や照射方法などのサブ解析でも結果は同じで手術の方が上でした。バイアスが存在するのは仕方のないことですが、一つのエビデンスとして重要な結果だと思われます。

2016年11月21日  橋根 勝義

中間から高リスク群の限局性前立腺がんに対する放射線治療には短期間のホルモン併用が有用である

中間から高リスク群の限局性前立腺がんに対する放射線治療には短期間のホルモン併用が有用である

中間から高リスク群に対して放射線治療単独(70-78 Gy)と6ヶ月間のゴセレリン併用群とのランダム化比較試験の結果が発表されました。5年でのPSA非再発率は併用群で82.6%、単独群の69.8%と比較し優位に良好でした。臨床的再発や局所再発も併用群が良好でしたが、全生存に関しては両群に差は見られません。今後長期の観察によって短期間のホルモンの併用の意義がさらに明らかにされるものと思われます。

2016年10月31日  橋根 勝義

転移のある前立腺癌患者に対して前立腺に放射線治療を追加することで生存率が改善する

転移のある前立腺癌患者に対して前立腺に放射線治療を追加することで生存率が改善する

2004~2012年にかけて,転移のある前立腺癌患者 6,382名をデータベースから特定、その中で538名(8.4 %)が前立腺に放射線治療を受けていました。経過観察期間中央値 5.1年で,ホルモン治療と放射線治療の併用群でホルモン治療単独群より全生存期間の改善が見られました(中央値で55ヶ月対37ヶ月、P<0.001)。ホルモン治療と前立腺全摘除術の解析もなされ、ホルモン治療単独より生存率は良く、放射線群とは有意差はありませんでした。転移のある前立腺癌ではホルモン治療単独がこれまで一般的でしたが、今後治療効果予測因子が明らかになれば、放射線や手術の局所療法も選択肢になりそうです。

2016年10月24日  橋根 勝義

転移のある前立腺癌患者に対して前立腺に放射線治療を追加することで生存率が改善する

転移のある前立腺癌患者に対して前立腺に放射線治療を追加することで生存率が改善する

2004~2012年にかけて,転移のある前立腺癌患者 6,382名をデータベースから特定、その中で538名(8.4 %)が前立腺に放射線治療を受けていました。経過観察期間中央値 5.1年で,ホルモン治療と放射線治療の併用群でホルモン治療単独群より全生存期間の改善が見られました(中央値で55ヶ月対37ヶ月、P<0.001)。ホルモン治療と前立腺全摘除術の解析もなされ、ホルモン治療単独より生存率は良く、放射線群とは有意差はありませんでした。転移のある前立腺癌ではホルモン治療単独がこれまで一般的でしたが、今後治療効果予測因子が明らかになれば、放射線や手術の局所療法も選択肢になりそうです。

2016年10月11日  橋根 勝義

前立腺全摘除術はロボット支援と開腹のどちらが良いのか?

前立腺全摘除術はロボット支援と開腹のどちらが良いのか?

前立腺全摘除術に関して、ロボット支援手術と開腹手術のランダム化比較試験の結果が発表されました。両群163例ずつで(最終解析はロボット支援手術131例、開腹手術121例)、術後6週と12週の時点での排尿機能、性機能は両群で有意差はなく、断端陽性率(ロボット支援手術15%、開腹手術10%)も差はなかったとしています。術後合併症は、ロボット支援手術6例(4%)、開腹手術14例(9%)で有意差はないもののロボット支援手術の方が少ない結果でした。本研究の開始時点で開放手術の術者は1500症例以上経験しているのに対し,ロボット支援手術の術者は2年のロボットfellowship後に200症例しか経験していないという不利な条件下での試験ですが、同等の結果であったと言うことはロボット支援手術の有意性をある程度示しているかもしれません。もちろん論文にあるように今後長期間の観察は必要です。

2016年9月26日  橋根 勝義

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