四国がんセンター:医療関係者の方へ

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局所進行膵がんに対するゲムシタビン併用重粒子線療法

局所進行膵がんに対するゲムシタビン併用重粒子線療法

千葉市稲毛にある放射線医学研究所、重粒子線医科学センターでの膵がん治療成績の報告である。ゲムシタビン同時併用で重粒子線照射療法を漸次増加させ、最大耐用線量を検討した。76例が試験に参加、ゲムシタビン1000mg/m2に対し55.2 GyEまで安全に併用照射可能であった(最大耐用線量に到達せず)。高線量群の2年生存割合は48%であった。

FOLFIRINOX療法もしくはゲムシタビン+ナブ・パクリタキセル療法を用いた局所進行膵がん患者の全生存期間は1.5年-2年が予想され、重粒子線療法の成績が極めて良いかは微妙である。

2016年2月22日  石井 浩

肝細胞がんに対するDEB-TACE±ソラフェニブ:SPACE試験

肝細胞がんに対するDEB-TACE±ソラフェニブ:SPACE試験

Intermediate stageの肝細胞がんに対する標準治療はTACE(血管塞栓化学療法)である。SPACE試験は標準治療:TACEに対する試験治療:TACE+ソラフェニブの優位性を二重盲検でランダム比較した試験である。腫瘍評価項目であるTTP(Tome To Progression)は標準治療、試験治療それぞれ166日、169日(ハザード比0.797、P=0.076)であり、残念ながらソラフェニブの上乗せ効果はみられなかった。DEB(Doxorubicin-Eluting Beads)は本邦に導入されて間もなく、また本試験で用いられたスケジュールされたTACE運用が日本ではなじまないことから、TACEとソラフェニブのmarriageが潰えたと未だ考えたくないところである。

2016年2月4日  石井 浩

進行腎がんに対するカボザンチニブ対エベロリムス

進行腎がんに対するカボザンチニブ対エベロリムス

一方、カボザンチニブも既治療の転移性腎がんに対してエベロリムスをコントロールに試験が行われ、無増悪生存率は7.4ヶ月対3.8ヶ月、有効率は21%対5%と良好だったものの、G3/4の有害事象は68%対58%だったと報告されました。この2剤の出現により転移性腎がんの治療体系は今後大きく変わることが予測されます。

2016年2月1日  橋根 勝義

進行腎がんに対するニボルマブ対エベロリムス

進行腎がんに対するニボルマブ対エベロリムス

待ちに待った免疫チェックポイント阻害薬、ニボルマブ(PD-1阻害薬)のデータが腎がんでも公表されました。また、全く同じ号にチロシンキナーゼ阻害薬の新薬、カボザンチニブのデータも公表されました。ニボルマブは、既治療の転移性腎がんに対してエベロリムスをコントロールに試験が行われ、全生存率は25.0ヶ月対9.6ヶ月、有効率は25%対5%、G3/4の有害事象は19%対37%といずれにおいても良好な結果でした。

2016年2月1日  橋根 勝義

ゲムシタビン不応後膵癌に対するMM-398と5-FU/LVの併用療法:NAPOLI-1試験

ゲムシタビン不応後膵癌に対するMM-398と5-FU/LVの併用療法:NAPOLI-1試験

進行膵癌に対するゲムシタビン後の二次化学療法として日本の診療ガイドライン(2016年版)で推奨されているのはフルオロウラシル関連レジメンである。その根拠となった嚆矢はCONKO-003試験であり、緩和ケアとFF(フルオロウラシル、ホリナートカルシウム)療法、FF療法とOFF(オキサリプラチン+FF)療法のランダム比較である。緩和ケアとの比較である当初のCONKO-003試験は、登録不良により途中中止となったため確定的な結論は導けないが、FF療法は緩和ケアと比較し明らかに優位であり、その後の試験でOFF療法はFF療法と比較し明らかに優位であった。次いで今回紹介するNAPOLI-1試験が近年公表され、ナノ粒子化したイリノテカン、MM-398と5-FU/LVの併用療法が5-FU/LV療法と比較して明らかに優位あることを示した。本邦ではゲムシタビン後二次化学療法の事実上の標準はS1療法であり、OFF療法は普及しておらず、MM-398はようやく治験が開始されようとしている。

2016年1月27日  石井 浩

SOFTにおける術後補助療法トリプトレリン+エキセメスタンまたはトリプトレリン+タモキシフェンを受けたホルモン受容体陽性閉経前乳癌女性の12ヵ月後のエストロゲンレベル:SOFT-ESTサブスタディー

SOFTにおける術後補助療法トリプトレリン+エキセメスタンまたはトリプトレリン+タモキシフェンを受けたホルモン受容体陽性閉経前乳癌女性の12ヵ月後のエストロゲンレベル:SOFT-ESTサブスタディー

SOFT trial(ホルモン受容体陽性閉経前乳がんの術後ホルモン治療として、トリプトレリン+エキセメスタン vsトリプトレリン+タモキシフェン vsタモキシフェン単独の3群比較第三相試験)の卵巣機能抑制程度を検討するサブスタディー。トリプトレリン+エキセメスタンでE2が閾値の2.72 pg/mlまで低下しなかった症例の割合は、治療開始から3ヶ月後25%、6ヶ月後24%、12ヶ月後17%であった。低下しなかった因子は化学療法なし (p=0.06)、BMI 高値 (p=0.05)、FSH低値 (p<0.01)、およびLH低値 (p<0.01)であった。

2016年1月14日  原 文堅

乳癌治療後患者における同側採血,注射,血圧測定,飛行機旅行のリンパ浮腫に対する影響

乳癌治療後患者における同側採血,注射,血圧測定,飛行機旅行のリンパ浮腫に対する影響

乳がん治療を受けた患者を対象に前向きにリンパ浮腫に対する同側採血,注射,血圧測定,飛行機旅行の影響を調査した。のべ3041の測定で、これらの行為はリンパ浮腫に影響ないことが分かった。多変量解析でリンパ浮腫(腕の体積)と関係したのは、BMI(p=0.0236)、腋窩リンパ節郭清(p<0.001)、領域リンパ節放射線治療(p=0.0364)、蜂窩織炎(p<0.001)であった。

2016年1月12日  原 文堅

中等度がん性疼痛に対する低用量モルヒネと弱オピオイドにランダム化比較試験

中等度がん性疼痛に対する低用量モルヒネと弱オピオイドにランダム化比較試験

 WHOガイドラインは中等度がん性疼痛に対してステップII;弱オピオイドを、中から高度がん性疼痛に対してステップIII;強オピオイドを推奨しており、中等度がん性疼痛に対してはどちらが最適か議論がある。NRS4-6の中等度がん性疼痛を有する成人がん患者が対象。低用量モルヒネ(WHO low dose step III)は弱オピオイド(WHO step II)と比較して有意に痛みを和らげ、かつ早期に効果を発揮した。忍容性は同様であった。WHO step IIを省略できる可能性がある。

2016年1月12日  原 文堅

Invasive Endocervical Adenocarcinoma: A New Pattern-based Classification System With Important Clinical Significance

Invasive Endocervical Adenocarcinoma: A New Pattern-based Classification System With Important Clinical Significance

子宮頸癌は胃型腺癌の予後が悪いことがわかってきています。(胃型を除いた場合)、どういう進展態度の腺癌なら予後が良くてリンパ節廓清を省けるか判断できるのではないかという観点で作られたおもしろい論文です。現在まだこの観点で円錐切除後の廓清範囲を決めている施設はないと思いますが、将来標準となるかもしれません。

2015年12月7日  寺本 典弘

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