四国がんセンター:医療関係者の方へ

Special recommended references for oncologists 2017年10月

肝細胞がんに対する経皮的ラジオ波焼灼療法と温度感受性を有するリポ化ドキソルビシンの併用療法

肝細胞がんに対する経皮的ラジオ波焼灼療法と温度感受性を有するリポ化ドキソルビシンの併用療法

HEAT試験は40度以上でドキソルビシンを放出するリポ化製剤の経静脈内投与を経皮的ラジオ波焼灼療法と併用することにより、経皮的ラジオ波焼灼療法単独と比較して無再発生存期間が延長するか検証するアジアを中心とした第Ⅲ相試験であり、日本からは東大前教授、山梨県立中央病院の小俣先生が共著者に名を連ねている。最大径3-7cm、4結節以下の肝細胞がん701例が登録され、実薬とプラセボにダブルブラインドで割り付けられた。結果は残念ながらネガティブで無再発生存期間、全生存期間にプラセボとの有意差はみられなかった。サブグループ解析では経皮的ラジオ波焼灼療法が45分以上かかった例で実薬の有用性が示唆された。

2017年10月23日  石井 浩

プラチナ感受性再発卵巣がんに対するオラパリブ維持療法の第Ⅲ相試験:SOLO2/ENGOT-Ov21

プラチナ感受性再発卵巣がんに対するオラパリブ維持療法の第Ⅲ相試験:SOLO2/ENGOT-Ov21

これまでに2ライン以上の化学療法が実施されているBRCA1/2 変異を有するプラチナ感受性再発卵巣がん患者に対するオラパリブ維持療法の効果を評価した第Ⅲ相試験の結果が発表されました。プラチナ感受性再発卵巣がん患者にオラパリブ錠300mgの内服維持療法を行うことで、プラセボ内服に比べ無増悪生存期間が13.6ヵ月延長しました(19.1か月 vs 5.5か月 ハザード比0.30、p<0.0001)。一方、オラパリブ内服群で貧血、腹痛、腸管通過障害などの重大な有害異常が18%に認められました(プラセボ群は8%)。

本試験には当院もGOG Japanとして参加しています。この結果を受けて本邦での承認に向けて検討がなされているとのことです。

2017年10月16日  竹原 和宏

切除境界/局所進行膵がんの化学療法後切除:どのように症例選択するか?

切除境界/局所進行膵がんの化学療法後切除:どのように症例選択するか?

イタリア、サン・ラッファエーレ病院における切除境界/局所進行膵がん223例/14年間の経験をレビューした。ゲムシタビン併用療法を3-6ヶ月間行い、画像と術中所見で根治切除可能と判断した61例(27%)は可及的に切除した。化学療法後、画像奏効は48%、CA19-9奏効(半減)は77.8%にみられた。切除例では治療前ステージ(切除境界/局所進行)、画像奏効はいずれも予後因子ではなく、CA19-9奏効が予後因子であった(奏効例、非奏効例の生存期間中央値は各々31.5ヶ月、15ヶ月)。CA19-9非奏効例の生存期間中央値(10.5ヶ月)は非切除例(10.9ヶ月)と大差なかった。多変量解析において切除/非切除とCA19-9奏効は有意な予後因子であったが、切除境界/局所進行とCA19-9ベースライン値の予後との関連は明らかではなかった。化学療法後、膵がんを切除するか否かは画像判断よりもCA19-9判断の方が適切かもしれない。
当院においても画像診断よりCA19-9の反応性の方が好結果に繋がる印象を持っており、本論文でその意をさらに強くした。

2017年10月3日  石井 浩

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