四国がんセンター:医療関係者の方へ

Special recommended references for oncologists 2017年8月

転移のある前立腺がんに対する局所療法に関して

転移のある前立腺がんに対する局所療法に関して

転移のある前立腺がんに対する治療はホルモン治療が標準治療ですが、転移があっても局所治療を追加することでサバイバルベネフィットがあるのではという考えが出てきました。最近報告された3つの論文を紹介したいと思います。

2004年から2013年のSEERのデータベースから転移のある前立腺がん患者13692人を用いて局所療法施行に関して検討しています。局所療法は前立腺全摘が313例、放射線が161例の合計474例でした。局所療法施行群ではハザード比0.40で未施行群と比較し有意に癌死率が低下していました。傾向スコア解析を用いて手術群と放射線群を比較するとハザード比0.59で手術群の方が癌死率が低い結果でした。グリソンスコア7以下、臨床病期T3以下、およびM1aの予後が良好でした。

一方で2004年から2012年のNCDのデータベースを用いた検討では、15501例の転移症例で、1470例(9.5%)に局所療法が追加されています。傾向スコア解析を用い、3年の全生存率は局所療法群で69%、未施行群で54%、有意に施行群が良好でした。多変量解析でも、局所療法未施行、年齢、合併症の有無が全生存に関連していました。
 http://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S0302283816301415

症例数は極端に少なくなりますが、単一施設から11例の報告でも前立腺全摘除術を追加すると7年癌特異生存率は82%と良好な結果が示されています。この報告ではoligometastasisは骨転移数5個以下と定義しており、このような群では全摘のベネフィットがあるのではと可能性を示唆しています。
 http://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S0302283816305085

2017年8月14日  橋根 勝義

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