四国がんセンター:医療関係者の方へ

Special recommended references for oncologists 2017年5月

ペンプロリズマブは尿路上皮癌の2ndライン治療に有用です

ペンプロリズマブは尿路上皮癌の2ndライン治療に有用です

プラチナベースの化学療法で再発した542例に対して、ペンプロリズマブ投与群とタキサン系などを使用した化学療法群とのランダム化比較試験がなされました(KEYNOTE-045)。生存期間中央値はペンプロリズマブ群で10.3ヶ月、化学療法群は7.4ヶ月でペンプロリズマブ群の生存期間が有意に延長しました。これはPD-L1の発現性には左右されない結果でした。有害事象もペンプロリズマブ群の方が低く、G3以上は化学療法群の49.4%に対して15.0%でした。主な有害事象は倦怠感と下痢でした。尿路上皮癌に対する免疫チェックポイント阻害剤では海外でアテゾリズマブが承認されていますが、今後数多くの薬剤が出てくるものと予測されます。

2017年5月29日  橋根 勝義

進行肝細胞癌に対するニボルマブの早期探索試験:CheckMate 040

進行肝細胞癌に対するニボルマブの早期探索試験:CheckMate 040

ウィルス肝炎非合併例、C型肝炎合併例、B型肝炎合併例の3群に対して第Ⅰ相試験(0.1-10mg/m2/2週間、3x3デザイン、48例/4カ国7施設)を行った。毒性は管理可能で、治療終了した46例中42例(91%)はPD中止であり、最大耐用量には到達しなかった。グレード3/4の有害事象は12例25%例に、重篤な治療関連有害反応は3例6%(類天疱瘡、副腎不全、肝障害)にみられた。
推奨用量3mg/m2で第Ⅱ相試験(ウィルス肝炎非合併+ソラフェニブ未治療もしくは不耐:56例、ウィルス肝炎非合併+ソラフェニブ不応:57例、C型肝炎合併50例、B型肝炎合併51例、214例/日本含む15カ国/46施設)の奏効割合は20%(95%信頼区間:6-28%)であった。ニボルマブに関する新たな副作用情報はみられなかった。
進行肝細胞癌に対するニボルマブの有用性をソラフェニブとの比較で検証する第Ⅲ相試験(http://clinicaltrials.gov/show/NCT02576509)が進行中であり、近日結果公表される見込みである。

2017年5月15日  石井 浩

切除可能膵がんに対するネオアジュバント療法 vs. アップフロント切除:傾向スコア解析

切除可能膵がんに対するネオアジュバント療法 vs. アップフロント切除:傾向スコア解析

全国がん登録から症例選択し、傾向スコア解析した研究である。1,541例がネオアジュバント後切除を受け、7,159例がアップフロント切除を受けた。傾向スコアによるマッチング比較した結果、臨床ステージ3(N=486)ではネオアジュバント後切除の遠隔成績はアップフロント切除に比較して有意に良好であった(生存期間中央値22.9ヶ月 vs. 17.3ヶ月、P<0.0001)。しかし、臨床ステージ1、ないし2では双方の遠隔成績に差はみられなかった。ネオアジュバント療法が切除成績を損ねることはなさそうであるが、遠隔成績向上が示唆されたのは臨床ステージ3だけであった。
日本のPrep-02/JSAP-05試験(UMIN000009634:切除可能例に対する術前GS療法の第Ⅲ相試験)の結果が待望される。

2017年5月1日  石井 浩

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