四国がんセンター:医療関係者の方へ

Special recommended references for oncologists 2016年12月

スニチニブの術後補助療法

スニチニブの術後補助療法

限局性腎癌に対してスニチニブを術後1年間内服する第3相ランダム化比較試験です。対象は高リスク淡明細胞癌患者615例で、スニチニブ群とプラセボ群にランダム化され、スニチニブは50mgから開始、37.5mgまでの減量は許容されます。非再発生存期間中央値はスニチニブ群で6.8年、プラセボ群の5.6年と比較し有意に延長しました。一方で、スニチニブ群での減量は34.3%、中止症例は28.1%あり、grade3以上の有害事象もスニチニブ群が多い結果でした。

2016年12月26日  橋根 勝義

切除不能進行胆道癌に放射線療法は役に立っているのだろうか?

切除不能進行胆道癌に放射線療法は役に立っているのだろうか?

多くの先進国で胆道癌は稀少であり、胆道癌に対する放射線療法のエビデンスはほとんどない。本研究は米国スタンフォード大学放射線腫瘍科のSEERメディケア・データベースを用いた観察研究である。
対象は1998年から2011年までに切除不能胆道癌診断された2343例で、このうち451例(19%)が診断4ヶ月以内に放射線療法を受けていた。高齢、独身、低所得等が放射線療法を受けにくい因子だった(逆にいうと、家庭を持っている若い高所得者が放射線路湯法を受ける傾向にあった)。4ヶ月以上生存例の生存期間中央値は、放射線療法なし群9.3ヶ月、あり群10.0ヶ月で有意差はなかった。しかし、化学療法あり群(1053例)に限定すると、放射線療法ありのハザード比は0.82(95%信頼区間0.70-0.97)で予後改善と有意に関連していた。化学療法なし群(1290例)では放射線療法ありのハザード比は1.09(95%信頼区間0.91-1.30)であり、予後との関連は明らかではなかった。以上の傾向は傾向スコア解析でも同様であった。以上、胆道癌に対する放射線療法は化学療法との併用で生存期間延長の可能性が示唆されたが、施行件数は年々減少傾向にある。
胆道癌放射線療法をもう少し盛り上げたいという放射線療法の先生の思いを感じました。

2016年12月19日  石井 浩

PSA監視療法より根治療法が転移進行を抑える

PSA監視療法より根治療法が転移進行を抑える

PSA監視療法、手術、放射線の3群でのランダム化比較試験ProtecT試験の結果が発表されました。この試験は1999年から2009年にイギリスで限局性前立腺癌と診断された2664例中同意の得られた1643例を3群にランダムに振り分け比較しています。前立腺癌死症例はいずれの群も少なく、有意差はありませんでしたが、転移出現や病勢進行症例は有意に監視療法群で多い結果でした。これまでのSPCG-4やPIVOT試験と異なり、治療介入への基準が定められていることから、現在の診療に近い試験結果といえます。ただし、監視生検はなされていないので監視療法には若干不利な状況です。

2016年12月12日  橋根 勝義

胆道癌標準療法GCのコストパフォーマンスはGem単独に比較して不良

胆道癌標準療法GCのコストパフォーマンスはGem単独に比較して不良

日本(愛知医大、名城大学等)からの報告。胆道癌の標準治療であるゲムシタビン+シスプラチン併用(GC)療法の費用対効果を、ゲムシタビン単独(Gem)療法と比較した。ベースのコストはGC:1545万円、Gem:1233万円であった。増分費用対効果比(ICER:健康な1年を得るために必要な費用)は1370万円であり、これは確率論的に推定された支払い意志額:600万円よりも高額であった。日本においてGC療法のコストパフォーマンスは必ずしも良くない。
たとえば、高齢者では毒性の低い単剤療法を考慮してはどうかということと思います。

2016年12月5日  石井 浩

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