四国がんセンター:医療関係者の方へ

Special recommended references for oncologists 2016年11月

限局性前立腺癌に対する根治療法、メタ解析では放射線より手術が上

限局性前立腺癌に対する根治療法、メタ解析では放射線より手術が上

手術と放射線の成績を直接比較するのは困難であるため、バイアスの比較的少ない論文を抽出し、メタ解析をしています。その結果、全生存率に関してはハザード比、1.63、前立腺癌特異生存率に関してもハザード比2.08で手術の方が上回っていました。リスク分類や照射方法などのサブ解析でも結果は同じで手術の方が上でした。バイアスが存在するのは仕方のないことですが、一つのエビデンスとして重要な結果だと思われます。

2016年11月21日  橋根 勝義

膵がんに対する術前減黄の遠隔成績に対する影響

膵がんに対する術前減黄の遠隔成績に対する影響

日本の多施設共同観察研究で、膵がん切除後遠隔成績の予後因子を検討しています。本論文ではとくに術前減黄について述べています。膵がん切除932例中、407例(44%)が術前減黄処置として内視鏡的ドレナージ(EBD)を受け、166例(18%)が経皮的ドレナージ(PTBD)を受けました。術前減黄なし群、EBD群、PTBD群の生存期間中央値は各々25.7ヶ月、22.3ヶ月、16.7ヶ月で、PTBD群のみが有意に成績が不良でした。また、PTBD群は23%で腹膜再発を来たし、術前減黄なし群(11%)、EBD群(10%)に比較して有意に腹膜再発割合が高率でした。
先の論文で肝門部胆管がんの術前減黄に対するPTBDの擁護を紹介しましたが、本論文は下部胆管閉塞を来す膵がんではPTBD避けるべしが結論です。

2016年11月14日  石井 浩

肝門部胆管がんに対する術前減黄に経皮的ドレナージはありか?

肝門部胆管がんに対する術前減黄に経皮的ドレナージはありか?

胆道がんの術前減黄は安全な根治切除のために必要な手技である。減黄ドレナージ手技には経皮的(PTBD)と内視鏡的(EBD)のふたつのアプローチがあるが、経皮穿刺の侵襲と播種のリスクを伴うPTBDは忌避されやすく、近年の内視鏡技術の向上からEBDが積極的に推奨される傾向にある。しかし、肝門部胆管がんではEBDが困難でPTBDを選択せざるをえない状況もしばしばみられる。本論文はアメリカとオランダの2施設で術前減黄を行った278例の肝門部胆管がん症例の後ろ向き観察研究である。
術後合併症で33例を除外した245例を対象とし、88例のPTBD群と157例のEBD群を比較した。補正なしの生存期間中央値はPTBD:35ヶ月、EBD:41ヶ月(P=0.26)であった。傾向スコアで補正したハザード比は1.05で差はなかった。初回再発部位としての手術創播種はPTBD群3例(3.4%)、EBD群4例(2.7%)であった(P=0.71)。
世間的に「ドレナージは内視鏡」という風潮の中で、経皮穿刺をいやがる欧米においてPTBD再評価の論調がでたことに驚きである。

2016年11月7日  石井 浩

1