四国がんセンター:医療関係者の方へ

部署案内:診療科・各診療部門案内放射線治療科

はじめに

放射線治療は、外科療法、薬物療法(抗がん剤を中心とする治療)、免疫療法と並び、4本柱の一つですが、放射線治療の役割は、最近特に大きなものとなりつつあります。この10年間の、放射線治療にまつわる変化は非常に大きなものです。表1に示すようにこの間の新規患者数は450人から783人と約1.8倍に増えました。その背景にはいろいろな因子がありますが、最も大きなものは科学的根拠に基づいた治療の確立であろうと思います。欧米での種々のランダム化比較試験の結果が明らかになるにつれ、また日本でも質の高い臨床試験が行われ、その結果新しい治療が市民権を得ています。さらに、放射線治療の内部事情では、最近の高精度放射線治療(三次元放射線治療、定位放射線治療、強度変調放射線治療、画像誘導放射線治療)の発達もまた大きな要因です。これは、より病巣に限局し、正常組織の合併症をより少なくした治療を可能にしつつあります。

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診療活動

放射線治療部門の新患登録数は、表1に示すように2011年には約783名であり、県下ではもちろん、中国・四国でも有数の治療患者数を誇っています。以下主な治療法についてのべます。

1.外部照射治療

患者群としては、乳がんに対する乳房温存療法の一貫としての乳房照射、肺がんに対する照射、根治治療としての前立腺がんの症例が多くなっています。また食道がんに対しては、放射線療法と化学療法の同時併用療法が定着した治療法となり、症例数の増加と良好な成績を得ています。

2.定位放射線治療(表2、図1)

脳を中心として発展してきた定位放射線治療は、当院では脳以外の体幹部(ほとんどは肺がん)を中心とした定位治療を行っており、良好な成績を得ています。(図1)

3.小線源治療

小線源治療は、放射性同位元素(放射線のでる小さな粒)を用いて行う治療で、線源の周りに集中して高い線量を与えることができる治療です。疾患によって、適応が決められております。放射性同位元素のなかでイリジウム-192を用いた高線量率照射装置(ラルストロン)は、愛媛県内では愛媛大学、当院の2施設に装備されるのみとなりました。主として子宮がんの腔内照射に用いられております。それ以外の小線源治療では、2004年8月よりヨウ素-125を用いた永久挿入前立腺小線源治療を行っています。愛媛県内では、当院を含め、3施設(愛媛大学附属病院、松山赤十字病院)で行っております。

4.強度変調放射線治療(表3、図2)

本治療は、2007年4月1日より、前立腺がん、頭頸部腫瘍等に対して保険適応が認められ、本格的な治療が開始されました。リーフ(放射線をカットする鉛の板)の動きをコンピュータ制御することによって、正常組織が受ける線量を制限しつつ、安全に腫瘍への線量増加を行い、治療成績の向上を目指しています。前立腺がん患者さんにおいては、前立腺内に埋め込まれた金マーカ、頭頸部腫瘍では、骨などの臓器に合わせ込みを行って、より精密な治療を行っています(画像誘導放射線治療)。

表1.放射線治療科取り扱い新患数の年次推移とスタッフ数

  2000年 2004年 2006年 2008年 2010年 2012年 2014年 2016年
乳がん 124
(27.0)
180
(32.1)
210
(32.2)
232
(30.5)
258
(32.5)
229
(32.5)
197
(31.9)
207
(31.6)
呼吸器 87
(19.0)
90
(16.0)
113
(17.3)
196
(25.9)
204
(25.7)
151
(21.4)
138
(22.3)
154
(23.5)
婦人科領域 45
(9.8)
52
(9.3)
41
(6.3)
54
(7.1)
44
(5.5)
44
(6.2)
30
(4.9)
41
(6.3)
耳鼻科領域 66
(14.4)
60
(10.7)
46
(7.1)
44
(5.8)
51
(6.4)
40
(5.7)
46
(7.4)
40
(6.1)
泌尿器領域 49
(10.7)
78
(14.0)
144
(22.1)
94
(12.4)
97
(12.2)
113
(16.0)
99
(16.0)
86
(13.1)
消化器 70
(15.3)
77
(13.7)
78
(12.0)
107
(13.9)
109
(13.7)
95
(13.5)
85
(13.8)
89
(13.6)
血液 11
(2.4)
16
(2.9)
12
(1.8)
21
(2.8)
16
(2.0)
18
(2.6)
12
(1.9)
23
(3.5)
その他 7
(1.5)
8
(1.4)
8
(1.2)
13
(1.7)
14
(1.8)
15
(2.1)
11
(1.8)
15
(2.3)
総計 459
(100)
561
(100)
652
(100)
761
(100)
793
(100)
705
(100)
618
(100)
655
(100)
スタッフ数 1 2 2 3 3 3 3 3

表2.定位放射線治療件数

定位
照射
症例数
2007年 2008年 2009年 2010年 2011年 2012年 2013年 2014年 2015年 2016年
35 52 44 44 34 37 39 36 47 33
11 11 21 31 38 15 19 12 13 10
0 0 0 3 0 4 2 1 0 1
total 46 63 65 78 72 56 60 49 60 44

表3.強度変調放射線治療の件数の年次推移

IMRT
症例数
2007年 2008年 2009年 2010年 2011年 2012年 2013年 2014年 2015年 2016年
前立腺 7 15 34 25 57 48 52 43 39 44
頭頸部 2 18 18 18 10 6 16 27 21 25
婦人科 0 0 0 6 0 0 0 0 0 1
0 1 1 3 0 2 0 0 4 3
total 9 34 53 52 67 56 68 70 64 73

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スタッフ紹介(放射線治療科)

診療医師:放射線治療部長 片岡 正明

片岡 正明

専門領域

  • 放射線治療

認定資格

  • 第1種放射線取扱主任者
  • 日本医学放射線学会 放射線治療専門医
  • 日本放射線腫瘍学会 放射線治療専門医

診療医師:放射線治療科医師 上津 孝太郎

専門領域

  • 放射線治療

認定資格

  • 日本医学放射線学会 放射線治療専門医
  • 日本放射線腫瘍学会 放射線治療専門医

診療医師:放射線治療科医師 神﨑 博充

専門領域

  • 放射線治療

認定資格