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治療法の選択に関して

近年、各種ガイドラインが出版され治療法選択に関して参考になる領域も多いのですが、残念ながら2014年時点で陰茎がんに対する日本語版ガイドラインはありません。欧米のガイドラインとしてはヨーロッパ泌尿器科学会(EAU)が作成したものと、NCCNのガイドラインが有名です。しかし、陰茎がんはまれな悪性腫瘍であるため、どうしてもエビデンスに乏しく、確立された治療法がない領域も少なからずあります。欧米のガイドラインを参考に、治療法の選択について説明します。
陰茎がんに対する治療は原発巣とリンパ節に分けられます。原発巣に対しては、以前は機能やQOLを無視した陰茎切断術が主体でした。しかし最近では、機能や美容面、精神面から根治的手術より陰茎温存療法が増えてきています。しかし、臨床病期ごとの最適な温存療法に関するエビデンスはあまり無いのが現状です。EAUのガイドラインではT1G2までは温存療法を考慮しています。NCCNのガイドラインもほぼ同様です。

欧米のガイドライン

上皮内がん 陰茎温存療法
Ta-1,G1-2 陰茎温存療法
陰茎部分切除術
T1G3あるいはT2以上 陰茎部分切除術あるいは陰茎全摘除術
注意深い観察のもと温存療法(選択された患者のみ)

リンパ節郭清のアルゴリズム

リンパ節郭清に関しては原発巣の病理組織学的所見と鼠径部のリンパ節腫大の状況によりいくつかのアルゴリズムが作成されています。その中で、代表的なものを図に示します。
リンパ節腫大がある場合、低リスク群(T1a:T1G2まで)ならまず4週間抗生剤投与を行い、その後リンパ節を再評価します。抗生剤投与にもかかわらず、リンパ節腫大が改善しない場合には、高リスク群に準じたリンパ郭清を施行します。高リスク群では図のアルゴリズムに従い、リンパ郭清を行います。郭清の範囲も迅速病理検査などにより異なってきます。

臨床的にリンパ節転移を認めない場合に、予防的にリンパ郭清を行うかどうかは難しい問題で、結論は得られていません。リンパ郭清をするとリンパ浮腫などの合併症が高率に起こるからです。しかし、高リスク群では高頻度に微少リンパ節転移を認めるため、T2以上あるいはgrade3(低分化)の場合には予防的リンパ郭清が必要とされています。最近では郭清範囲を縮小した(modified)リンパ郭清や、センチネルリンパ節の導入もなされています。しかし、センチネルリンパ節に関しては偽陰性も多く、まだ確立されたとはいえない状況です。

原発巣やリンパ節転移が進行した状況で診断されることもあります。この場合手術は不可能ですので、化学療法による治療になります。化学療法により手術可能になることもあります。しかし、一般に陰茎がんに対する化学療法は有効率が低く、緩和治療を考えることも必要です。

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