四国がんセンター:病院をご利用の方へ

部署案内:診療科・各診療部門案内遺伝性がん診療科(家族性腫瘍相談室)

2016年6月6日 更新

「うちはがん家系です」「親ががんになったので私も心配です」このような会話を耳にしたことはありませんか。がんにかかった方が多ければがん家系なのでしょうか。両親ががんになると子供もがんになるのでしょうか。では、医学的にはどのような場合ががん家系なのでしょう。

近年、家族性腫瘍研究に対する認識が高まっていることをふまえて、2000年に四国がんセンターでは、家族性腫瘍相談室を開設し、2016年4月、遺伝性がん診療科に名称を変更いたしました。遺伝性がん診療科では、患者さんのプライバシーを最大限に尊重した上で、家系調査、生活調査、疾患によっては遺伝子検査を取り入れた発症原因の検索を行っています。これによって発症要因が明らかとなれば、その情報に基づいたカウンセリングを行っていきます。それを通じて、地域の皆様の健康管理、特に当院の使命であるがん予防に役立ちたいと考えています。

遺伝性がん・家族性腫瘍についての説明はこちらのページをご覧ください。
 →遺伝性がん・家族性腫瘍とは

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受診の手順


受診の手順


相談について

遺伝性がん診療科では、患者さんとその家族を対象として、家系調査、生活環境調査、疾患によっては遺伝子検査を用いてがんの発症の原因を検索し、がんの早期発見や予防を通じて今後の生活に前向きに立ち向かっていけるよう支援いたします。

相談は十分に時間をかけてお話しをうかがうため、完全予約制です。事前に「がん相談支援センター」へ直接または電話でご予約ください。なお、相談は個室で行い、内容は外部に漏れることのないよう厳重に管理いたしますので、ご安心ください。

遺伝カウンセリング・遺伝子検査について詳しくはこちらのページをご覧ください。
 →遺伝性がん診療科のシステム

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予約方法

受付時間
8時30分~17時15分(土曜日・日曜日・祝日を除く)
場所
2階 がん相談支援センター
電話相談
089-999-1114 (直通)
費用
初診(専用カルテ作成時) 10,260円(税込)
再診 5,076円/回(税込)
遺伝子検査は別途実費負担

※遺伝性がん診療科専用のカルテを必要に応じて(相談者1人ごとに)1冊作成します。遺伝性がん診療科は自費診療です。(同日に受診した保険診療は全額自己負担になります。)

※料金は、相談日ごとに相談の前に徴収させていただきます。差額が生じた場合は、後日精算いたします。(相談の途中で新たに同席者の専用カルテを作成する必要が生じた場合など。)


※但し具体的な事例につきましてはプライバシーの保護の関係上、メール又はFAXでのお問い合わせはご遠慮ください。また、受診は十分な時間をかけて行うため、原則予約制としております。ご了解ください。

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主な遺伝性がんまたは家族性腫瘍の説明

スタッフ紹介

遺伝性がん診療科では、最低毎月1回の定期症例検討会を行い、円滑な運営のための努力をしています。個室の相談室を完備し、予約制でカウンセリングを行っています。
カウンセリングを受ける方の多くは当院で治療を受けたことのある方ですが、院外の方のカウンセリングも行っています。

→スタッフ紹介

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最後に

「遺伝」という言葉に暗いイメージをいだく人が多いのではないかと思います。おそらく遺伝する疾患が見つかった場合、不等な差別を恐れて隠そうと考える人が多いでしょう。実際にそういった社会問題が起きていると聞きます。しかし、遺伝子の変異は誰にでも起こりうることであり、すでに起こっているかもしれないことを理解していただきたいと思います。例えば、受精という生物の発生過程は非常に不安定で、多くの新たな遺伝子変異が起こることが知られています。ある報告では、受精したばかりの卵は50から60%に何らかの遺伝子変異が存在するとされています。なかでも大きな変異があるものは、着床できなかったり、自然流産の形で淘汰され、最終的には生命に差し迫った影響を及ぼさない変異を持つもののみが生まれてきます。この場合、遺伝子変異は生まれつき持った遺伝子の個性となります。変異はその後、遺伝という形で子孫に受け継がれることを考えれば、遺伝の問題が特別ではなく、誰にでも等しく起こりうることが分かるでしょう。

遺伝子検査を行うとき、世界共通のデータベースに遺伝子配列を照らし合わせます。このデータベースに登録されている遺伝子配列を「野生型」といいます。「正常型」とは呼びません。そして、疾患と明らかに結びつくことが報告されている変異を「病的変異」と呼びますが、それが明らかでない、あるいは報告例がない変異を「多型」と呼びます。つまり遺伝子の個性という言葉に相当するでしょう。遺伝子の「多型」は誰にでもありえることです。

ヒトゲノムプロジェクトをはじめとする近年の分子遺伝学の進歩には目をみはるものがあります。これによって得られた情報は将来医療に役立てられると思われます。しかし、欧米諸国に比べて日本では遺伝子情報を生かした診療体制はまだまだ不十分です。日本における家族性腫瘍診療の体制は、今後我々で模索しながら作ってゆかねばならないでしょう。四国がんセンターにおける我々の活動が、その一助になれば幸いです。