四国がんセンター

名誉院長エッセイ<季刊>患者の言い分、医者の言い分

あっちへ行ったらいかんよ。:2015年1月号

先生、だんだん!

がんセンターが堀之内にあった頃、20年以上前のことになります。毎朝の回診の途中、3階西病棟の一室のことでした。
「先生!夕べは大変な夢を見てのう。わしは、小さい舟で広い川を渡りよったんよ。向こう岸にはきれいな花がいっぱい植わっとったわい。ものすごお気持ちよかったわい。ああ、きれいじゃなあ。早う行ってみたいと思いよったら、もとの岸のほうで、『あっちへ行ったらいかんよ。早うもどっておいで』ゆう声が聞こえてのう。わしゃ、はっとしてもとのところへ戻ったんよ。目を開けたら、ここの天井が見えたわい。あぶなかったのお。あの世へ行くところじゃったわい」小生「…」患者さん、続いて曰く「あの声は先生じゃったと思うんよ。だんだん」これを夢と言ってしまえばそれまでですが、同じようなお話しは世界中にありますね。立花 隆さんの”臨死体験”という著書にいろいろな体験談が書いてありますよ。ただ、呼び戻す人は普通は親族の方のようですが…

この部屋は…

堀之内の病院は今はもうないので書きますが、この部屋にはいろんなエピソードがあります。世の中には、いわゆる”霊感”の強い人がいますよね。看護師、医師の中にもいるのです。夜勤の見回りでその部屋の前を通ると、誰もいないはずなのに声が聞こえたり、物音がするというのです。絶対に何かいると言うのですが、よく言えば理知的な、言い方を変えれば鈍感な私には理解できません。その部屋の壁の中に配管が通っていて、そこを流れる水の音だと思うのですが…夢がなさ過ぎですかね(^_^;)。ちなみに、”霊感”の強いこの医師は、(あることで有名な)福井県の東尋坊へ行った時、崖から海をのぞき込むと、無数の人の手が自分のほうへ伸びてきて気が遠くなりそうだったと言っていました(-_-;)。私も行きましたが、のぞき込むとそこには…
きれいな海しか見えませんでした(*^_^*)

我が家にも妖怪が

我が家は建ててからもう20年以上たちますが、建ててまもなくのころから、誰もいないはずの2階から、ミシミシと廊下を歩くような物音が聞こえるのです。「ありゃあ何の音だ?」すると、うちの娘と女房どのが口をそろえて曰く「また、歩いとるねえ」小生「2階には誰もおらんだろう…」2人によると、我が家には、建てた頃から、目には見えないけど、ざしきわらしが住んでいて、時々2階を歩いているのだそう(-_-;)。

新病院でも

医局の男子トイレで、深夜に用を足していたときのこと。用を足した後には、自動的に水が流れるタイプです。途中、フーッと後ろを風が通ったような気がしました。しばらくすると、二つ向こうのトイレの水がざーっと流れたのです…。鳥肌が立ちましたよ。男子トイレは、排出をスムーズにするために一斉に流れることはありますが、1箇所だけだったので、正直怖かったです。それが3回ほどありました。でも、行かないわけにはいかず…壊れていたのかなあ(-_-)。

妖怪って…

妖怪伝説は日本中にありますよね。吉をなすものから災いをもたらすものまでその役割分担はいろいろですが、どこかユーモラスなところがありますね。いるかいないかは別として、幽霊と違うところでしょうか。でも、何人かの人が共通の体験をしていなければ伝説にはなりませんから、人知を超えたなにかが本当にあるのでしょうか。
私は信じない派ですが、みなさんは、どう思いますか?

院長 栗田 啓