平成17年度公開セミナー

〜 がんと共に生きるために 〜 Part7

主催:四国がんセンター看護部 公開セミナー委員

公開セミナー一覧表へ
8月 1月
 
 
第48回
終了しました 平成17年5月27日(金) 
独立行政法人国立病院機構 四国がんセンター2階会議室
四国がんセンター院長: 高嶋成光
がん検診について
 がんによる死亡者は年間30万人を超え、3人に1人が、がんで亡くなっております。また、がんの発生数も増加しており、平均寿命までに2人に1人が何らかのがんにかかる可能性があると言われております。このようにがんは私たちの健康と生命を脅かす危険な病気ですが、これまで20年にわたる国を挙げてのがん対策の結果、がんの正体が明らかになるとともに、診断や治療技術が急速に進歩したことにより、がん制圧の道筋が見えてきました。
 がん制圧の第1は、がんにかからないようにすることです。がんの原因の大部分がたばこや食事などの生活習慣に関連しております。禁煙や多くの食品をバランス良くとるなどの注意でがんにかかる率が低くなります。
 第2は、たとえがんにかかっても早く発見して、早く治療し、がんになってもがんで死なないことです。特に、日本人に多い胃がん、肺がん、大腸がん、子宮がん、乳がんの検診をお勧めします。
 本セミナーでは、がんの基礎知識、がん検診の重要性、平成18年4月に開院する新病院で開始するPET−CTという最新の診断装置を用いたがんドックなどについてお話しします。
 
 
第49回
終了しました 平成17年6月24日(金) 
独立行政法人国立病院機構 四国がんセンター2階会議室
四国がんセンター 副院長:新海 哲
セカンドオピニオンについて 〜 納得して治療を受けるために 〜
 皆さん、セカンドオピニオンをご存じですか。セカンドオピニオンはインフォームド・コンセント(説明と同意)の過程の一つです。インフォームド・コンセントは、担当医からご自分の病気についてこれからの診断や治療方法について詳しく説明を受け、良い面、悪い面も含めて担当医とよく相談の上、診断や治療に同意することです。しかし、納得して重大な決断する前に第三者の専門家による客観的な意見を聞きたいと思ったことはありませんか。これがセカンドオピニオンです。わが国においては、未だ、古い医師と患者様のパターナリズムが主流であり、担当医からの説明をそのまま受け入れる、すなわち未だお任せ主義が現状です。確かにご自分で納得して自己決定することは容易なことではありません。その手助けとなるのがセカンドオピニオンです。セカンドオピニオンを行うにあたっては、担当医からの詳細な診療情報提供とレントゲン等の資料提供が必要です。対診といって、担当医と対等な資料を元に客観的な責任ある意見を述べるためには必要なことです。一方、なかなか担当医にセカンドオピニオンを受けたいので他の専門家を紹介して欲しいと場合によっては言い出し難いかも知れません。しかし、皆様が思っているほど、担当医はセカンドオピニオンに否定的ではなく意外と快く引き受けてくれるものです。皆様も積極的にセカンドオピニオンを利用してみてはいかがでしょうか。
 
平成17年6月24日の公開セミナーの様子
  
                                                                                  
第50回
終了しました 平成17年7月29日(金) 
独立行政法人国立病院機構 四国がんセンター2階会議室
四国がんセンター 統括診療部長:栗田 啓
外科的治療について
 がんの治療には,外科的なもの(これには手術をはじめとした体にメスを入れるものが含まれます)と内科的なもの(これには抗がん剤や放射線治療が含まれます)があります。今回は、乳がん・肺がん・胃がん・大腸がんの手術について、そのいま、むかしをお話しします。乳がんは、過去にはすべてに乳房全体を切り取ってしまう手術が行われてきましたが、最近では半数以上が、がんを含めた乳房の一部と脇の下のリンパ節を切り取る手術に移り変わってきました。放射線や抗がん剤を併用することが重要なことがわかってきました。肺がん・大腸がんは、ビデオカメラを使ってモニター画面をみながら手術する方法が多く行われるようになってきました。手術の体への負担が軽くなりました。胃がんの場合、すべてに同じ手術法がとられていましたが、がんができた場所や進み具合によって手術方法を変える、いわば半オーダーメード的な手術法になってきました。一部、手術の場面をビデオカメラで撮ったものをお見せしながら、お話ししたいと思っています。
 
公開セミナー7月
  
第51回
終了しました 平成17年9月30日(金) 
独立行政法人国立病院機構 四国がんセンター2階会議室
四国がんセンター 形成外科医長:河村 進 看護師:大西ゆかり
リンパ浮腫の予防
 乳がんや子宮がん、前立腺がんなどの治療後に腕や脚のむくみでお悩みの患者様はいらっしゃいませんか?
 がんの治療で手術によりリンパ節を郭清したり、放射線治療後の後遺症として起こる腕や脚のむくみをリンパ浮腫と言います。
 リンパ浮腫は、いったん発症すると完治することは難しく、一生つきあっていかなければなりません。しかし、高血圧や糖尿病などの生活習慣病と同じように、長期に渡りケアすることで、症状を和らげることが可能です。
 リンパ浮腫の治療は、スキンケア、マッサージ、圧迫、圧迫した上での運動を組み合わせた「複合的理学療法」が効果的です。前半では、医師がリンパ浮腫について患者様に知っておいて頂きたい基礎的な知識をお話しします。後半で、看護師がリンパ浮腫のケアについてセルフマッサージや日頃のケアの方法をお話しします。多数ご参加下さい。
 
公開セミナーの様子
  
第52回
終了しました 平成17年10月28日(金) 
独立行政法人国立病院機構 四国がんセンター2階会議室
四国がんセンター 放射線治療科医長: 片岡正明
がんの放射線療法
放射線療法−最近の進歩から

  放射線治療は,がん治療においてますます重要な役割を担ってきている。放射線治療患者数がこの10年で約2倍に増加していることを見てもその一端がうかがえる。

1.放射線治療の特徴、放射線治療の適応となる病態についてわかりやすく説明したい。緩和医療の一つの手段としての放射線治療と、根治治療としての放射線治療は明瞭に区別して考えなければならない。

2.また、放射線治療の副作用はもっとも治療を受ける側にとっても、治療を行う側にとってももっとも注意する点の一つである。その副作用の機序、対策などについても述べる。

3.また最近のコンピュータ技術を駆使した三次元原体放射線治療、定位放射線治療、さらには強度変調放射線治療、粒子線治療は、より病巣に限局した正常組織の合併症をより少なくした治療を可能にしつつある。これらの分野における最近の進歩について述べる。また最近の小線源治療(ブラキセラピー)についても触れたい。
 
10月公開セミナー写真
  
第53回
終了しました 平成17年11月21日(月) 
独立行政法人国立病院機構 四国がんセンター2階会議室
四国がんセンター 呼吸器科医長:畝川芳彦/がん化学療法認定看護師:森ひろみ
化学療法とその看護について
 「がんの化学療法」は抗がん剤を用いてがん細胞を攻撃する治療法です。主ながんの治療法のうち、外科的治療と放射線治療は「局所療法」に位置づけられますが、化学療法は、抗がん剤が投与された後、血液中に入り全身に分布してがん細胞を攻撃しますので「全身療法」に位置づけられています。では、この化学療法に期待できるものはどの様なことなのでしょうか。これはがんの種類によって異なり、治療の目標はその種類ごとに「根治」、「延命」、「がんの縮小」、「症状の改善」に分けられます。一般的に、抗がん剤はがん細胞を攻撃するとともに、正常な細胞にも障害を及ぼすことが避けられませんので、これが副作用として発現することになります。具体的には、食欲の低下、吐き気・嘔吐、脱毛などの自覚症状とか、白血球数の減少(感染を起こし発熱することがあります)や貧血などが起こってきます。したがって、「がんの化学療法」を行うにあたっては、期待できる効果と予想される副作用を天秤にかけて慎重に判断する必要があるといえます。また、最近では効果の優れた抗がん剤や「がんの化学療法」の副作用を軽減するお薬が多数開発されてきていますので、今回のセミナーではそれらを紹介するとともに、外来での化学療法についてもお話しさせていただきます。
 
11月のセミナーの様子の写真
  
第54回
終了しました 平成17年12月16日(金) 
独立行政法人国立病院機構 四国がんセンター2階会議室
四国がんセンター ソーシャルワーカー:閏木 裕美 / ボランティア代表
療養を支援する社会資源 ソーシャルワーカー・ボランティア
 病気になると健康な時には考えもしなかったような心配事が起きてくることがあります。 当院では医療ソーシャルワーカーが患者様やご家族様の悩みや心配事などの相談を受けておりますが、がん治療に必要となる高額な医療費や生活費に対する不安を訴えて来られる方が多くいます。また、病気や治療について非常に不安・心配事があったり、退院後の生活(介護の事や、独居生活)に対して不安があったり、他にどの様な病院や施設があるのか?介護保険や医療保険のことを知りたいなどなど、心配事を抱えていらっしゃる方がいます。 このように病気がもとで起こった生活上の不安、心配事などの問題に対して相談を受け、社会福祉の立場から患者様、ご家族様と一緒にその問題を考え、解決できるようお手伝いするのが医療ソーシャルワーカーの仕事です。 今回は、病気に伴って起こってくる問題に対して、さまざまな医療福祉制度やサービスなどの社会資源を活用できるよう、制度の内容についてお話したいと思います。皆様の悩みや負担になっていることが少しでも解決できるようお役に立てれば幸いです。また、当院でのボランティアさんの活動内容も紹介します。ぜひご参加ください。
 
公開セミナーの様子
  
第55回
終了しました 平成17年2月24日(金) 
独立行政法人国立病院機構 四国がんセンター2階会議室
四国がんセンター 看護師長:井上るり子(ホスピスケア認定看護師)
緩和ケアについて
 緩和ケアとは「治癒を目的とした治療に反応しなくなった疾患を持つ患者に対して行われる積極的で全人的なケアであり、患者・家族にとってのQOLの向上が最優先される。」と定義されていますが、皆様は緩和ケアに対してどのようなイメージを持っていますか。緩和ケア=死、というイメージを持ってはいませんか。「がんに対する治療の方法がなくなって、見捨てられたから緩和ケアへ行く」と思ってはいませんか。私たちは、決して見捨てたりしません。たとえがんに対する直接的な治療の方法はなくなっても、痛みや体のだるさ、心の辛さ、その他様々な辛さを緩和し限りある生をよりよく生きるために、専門家のスタッフが協力してケアさせていただきます。生体機能の維持を考えるのではなく、その人らしい生への援助を考えます。そして最後のその時までその人がその人らしくあるために、患者・家族にとってのより良いことをみんなで考えていきます。それが緩和ケアなのです。本セミナーでは、緩和ケアの考え方を知っていいただき、何が患者・家族にとってより良いことなのかを皆様と一緒に考えて行きたいと思います。
 
公開セミナーH18年2月24日分画像